eGFRに尿アルブミン/クレアチニン比を加えると、アテローム性動脈硬化性心血管疾患イベント予測能が大幅に向上

eGFRとACR追加でASCVDイベント予測能が大幅に向上
 アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のリスクをスコア化して評価する際、従来から使われている因子に推算糸球体濾過量(eGFR)と尿アルブミン/クレアチニン比(ACR)を加えると、イベント予測能が大幅に向上することを示す研究結果が報告された。上海交通大学(中国)のYu Xu氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American Society of Nephrology」に3月4日掲載された。

 ASCVDリスクは、年齢や性別、喫煙、血清脂質、血圧、糖代謝レベルなどの古典的リスク因子をスコア化して評価することが多い。一方、腎疾患ガイドラインに関する国際機関であるKDIGOのガイドラインでは、慢性腎臓病(CKD)のリスク分類にeGFRとACRを用いている。またCKDステージの進行が、ASCVDリスクと関連することも示されている。このことから、eGFRとACRを追加してASCVDリスクをスコア化することで、イベント予測能が向上すると考えられる。しかし、この点に関して、これまで十分な検討は行われていない。

 Xu氏らは、中国での心血管代謝疾患とがんのコホート研究の参加者のデータを用い、ASCVDリスクスコアにeGFRと、対数変換したACR(logACR)を加えた場合のイベント予測能への影響を前向きに解析した。参加者はベースライン時点で年齢が40歳以上であり、心血管疾患の既往のない11万5,366人。エンドポイントは、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、および心血管死などで定義される主要心血管イベント(MACE)とした。

 41万5,111人年の追跡で、2,866件のMACEが発生した。ASCVDリスクスコアにeGFRとlogACRを追加した場合のMACEの予測能は、追加する前に比較して、評価した項目のほぼ全てのP値が0.01未満であり、有意に上昇していた。C統計量で見ると、eGFRとlogACRの追加により、研究対象全体で0.0116増加、糖尿病患者では0.0254増加した。CVDリスクの再分類能は、4.78%(95%信頼区間3.03~6.41)改善した。

 著者らは、「古典的リスク因子に新しいリスク因子を追加しASCVDリスクスコアを算出することで、CVDイベントリスクの予測精度を向上できる可能性がある」と述べている。

 なお、数名の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

[HealthDay News 2021年3月9日]

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[Terahata]
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