HbA1cの変動が心血管疾患リスクと相関

 外来通院中の2型糖尿病患者のHbA1cの変動の大きさが、心血管疾患(CVD)イベントリスクと関連することが報告された。この関連の一部は、重症低血糖が媒介しているという。米ペニントン生物医学研究センターのYun Shen氏らの研究によるもので、詳細は「Diabetes, Obesity & Metabolism」1月号に掲載された。

 Shen氏らは、2型糖尿病の診断から2年以内に、少なくとも4回以上HbA1cが測定されていた患者2万9,260人(平均年齢66.0±11.6歳、男性45.9%)を対象とする後方視的コホート研究を実施。HbA1cの標準偏差(SD)、変動係数(CV)とCVDイベント発生率との関連を、Cox比例ハザード回帰モデルにて解析した。

 平均4.18年の追跡期間中、3,746人にCVDイベントが発生。HbA1cのSD値で四分位に群分けし、交絡因子(年齢、性別、人種、喫煙、BMI、収縮期血圧、non-HDL-C/HDL-C比、eGFR、加入している保険、血糖降下薬・脂質低下薬・抗血小板薬・抗凝固薬の使用、およびHbA1cの平均値など)で調整して、第1四分位群を基準に各群のイベントリスクを検討。

 その結果、第2四分位群はハザード比(HR)1.30(95%信頼区間1.18~1.42)、第3四分位群はHR1.40(同1.26~1.55)、第4四分位群はHR1.59(同1.41~1.77)となり、HbA1cのSD値が大きいほどイベントリスクが高いという有意な関連が明らかになった(傾向性P<0.001)。HbA1cが高いためにSD値が大きくなることの影響を調整した上でHbA1cのCV値で検討した場合も、同様の関連が認められた。

 また、追跡期間中に1,211人が重症低血糖による初回入院治療を受けていた。そのリスクは、HbA1cのSD値が大きいほど高いという有意な関連が存在し(傾向性P<0.001)、HbA1cのCV値での解析結果も同様だった。媒介分析により、重症低血糖はHbA1cの変動性とCVDイベントリスクとの関連の12.0%を説明すると計算された。

 これらの結果から著者らは、「糖尿病患者とその主治医に対して、血糖値の変動をできるだけ抑制し、重症低血糖を起こさない治療を目指すことを推奨する」と述べている。

[HealthDay News 2021年2月22日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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