Finerenoneが2型糖尿病患者の腎・心血管イベントを抑制

 開発中の新規非ステロイド性選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬「Finerenone(フィネレノン)」が、CKDのある2型糖尿病患者の腎機能低下を抑制し、心血管イベントリスクを低下させることが報告された。米シカゴ大学のGeorge L. Bakris氏らの研究によるもので、「The New England Journal of Medicine」12月3日付発行号に掲載された。

 フィネレノンは、炎症や線維化を介して腎障害や心血管障害を惹起するミネラルコルチコイド受容体(MR)活性を抑制する。これまで、短期間の検討から、CKD併発2型糖尿病患者のアルブミン尿を減少させることが報告されていたが、腎機能や心血管系の長期的なアウトカムは不明だった。

 今回の報告は、同薬の第3相臨床試験の結果。CKD併発2型糖尿病患者5,734人に対し、全例にレニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬を最大耐容量使用した上で、フィネレノンまたはプラセボを投与した。主要評価項目は、腎不全、ベースラインからeGFR40%以上の低下、および腎関連死で定義した複合エンドポイント。二次エンドポイントは、心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、および心不全入院。

 中央値2.6年の追跡期間中に、フィネレノン群の17.8%(2,833人中504人)、プラセボ群の21.1%(2,841人中600人)に、主要評価項目である複合エンドポイントが発生した〔ハザード比(HR)0.82(95%信頼区間0.73~0.93)、P=0.001〕。二次エンドポイントの発生率は、Finerenone群13.0%(367人)、プラセボ群14.8%(420人)だった〔HR0.86(同0.75~0.99)、P=0.03〕。

 有害事象の発生率は両群ほぼ同等だったが、高カリウム血症に伴い投与中止に至った症例は、プラセボ群(0.9%)よりフィネレノン群(2.3%)の方が多かった。

 著者らは、「これらの結果は、CKD併発2型糖尿病患者の腎臓および心血管系に対して、フィネレノンが保護的に作用する効果的な治療法である可能性を示唆している」と述べている。特にRAS阻害薬が最大耐容量使用された状態に上乗せしての検討であることから、「本研究で示されたメリットは、ガイドラインに基づく治療条件のもとで確認されたものであり、臨床的に重要な意味をもつ」と追記している。

 なお、この研究は、フィネレノンのメーカーであるバイエル社の資金提供により行われた。

[HealthDay News 2020年10月26日]

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[Terahata]
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