座位が続くときは軽い運動を間に挟むと糖代謝が改善

 長時間の座位が続くときには軽度の運動を若干行うだけで、食後のインスリン分泌や血糖上昇が抑制されるとの研究結果が、「Medicine & Science in Sports & Exercise」6月号に掲載された。ただし、身体活動を伴わない単なる起立では、有意な効果は得られないという。

 英国国立衛生研究所(NIHR)レスター生物医学研究センターのJoseph Henson氏らは、研究デザインの類似している4件のランダム化クロスオーバー試験のデータを統合し、長時間の座位の途中で、起立、または軽度の運動を行った場合の食後インスリン・血糖への影響を検討した。検討対象者数は129人で、31.0%が南アジア人であり、BMIは19.6~44.6に分布し、既知の糖尿病患者は除外されているが耐糖能異常者が27.1%含まれていた。

 比較された条件は、6.5時間座位を維持した場合(トイレへの往復には車椅子を使用)、30分ごとに5分間の起立または軽い身体活動(主にウォーキング)をした場合の計3条件。対象者は実験の2日前からアルコール、カフェインの摂取、および中強度以上の身体活動が禁止された。朝食および昼食後30分、60分、120分に加え、朝食後は180分、昼食後は210分に採血し、インスリン値と血糖値を測定した。

 まず、食後インスリン値の結果を見ると、座位を維持した場合が平均69.9mU/Lであり、30分ごとに5分間起立した場合は75.9mU/Lで、有意差がなかった。しかし30分ごとに5分間軽い身体活動をした場合は56.4mU/Lと、有意に低下していた(P<0.001)。座位を維持した場合に対する30分ごとに5分間軽い身体活動をした場合の食後平均インスリン値の低下幅は、白人よりも南アジア人〔-8.2mU/L(-9.3%)対-18.9mU/L(-23.5%)〕、男性よりも女性〔-12.1mU/L(-17.6%)対-15.0mU/L(-22.1%)〕、BMI27.2未満より27.2以上〔-8.7mU/L(-18.2%)対-20.9mU/L(-22.9%)〕で、より大きかった。

 次に、食後血糖値の結果を見ると、座位を維持した場合が平均5.9mmol/L(106.2mg/dL)であり、30分ごとに5分間起立した場合も5.9mmol/Lで、変化がなかった。しかし30分ごとに5分間軽い身体活動をした場合は5.6mmol/L (100.8mg/dL)と、有意に低下していた(P<0.001)。座位を維持した場合に対する30分ごとに5分間軽い身体活動をした場合の食後平均血糖値の低下幅は、男性より女性〔-0.1mmol/L(-1.7%)対-0.4mmol/L(-6.8%)〕、BMI27.2未満より27.2以上〔-0.2mmol/L(-3.4%)対-0.4mmol/L(-6.7%)〕で、より大きかった。

 なお、年齢やインスリン抵抗性による層別解析では、有意な交互作用は認められなかった。

 著者らは、「これらの結果は座位時間が長く続く場合、それを途中で中断し身体を動かすという実行可能性の高い行動が、糖尿病の効果的な予防戦略となり得ることを示している」と結論づけている。

[HealthDay News 2020年7月8日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
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