インスリンやメトホルミンにGLP-1受容体作動薬を追加 HbA1cが低下

血糖降下薬の有効性に関するメタ解析
 2型糖尿病に対する血糖降下薬の有効性に関するシステマティックレビューとメタ解析の結果が、「Annals of Internal Medicine」6月30日オンライン版に掲載された。インスリンまたはメトホルミンベースの治療を行っている場合には、GLP-1受容体作動薬を追加することで最大の血糖改善効果が見られることなどが分かった。

 アリストテレス大学(ギリシャ)のApostolos Tsapas氏らは、成人2型糖尿病患者に対する各種血糖降下薬の有効性と有害事象を比較するため、システマティックレビューとメタ解析を実施。介入期間が少なくとも24週間以上で、死亡率、血糖関連指標、および心血管イベントに対する血糖降下薬の効果を評価したランダム化比較試験結果の英語論文という条件で検索を行った。その結果、9タイプ21種の血糖降下薬の介入効果を評価した453試験が抽出された。

 メタ解析の結果、薬剤未使用患者に対して血糖降下薬の使用を開始した場合、その対象者の心血管イベントリスクが低ければ、薬剤の違いによる明らかなリスク差は認められなかった。また、インスリン療法やメトホルミンベースの治療を既に行っている患者には、GLP-1受容体作動薬を追加するとHbA1cが最も大きく低下することが分かった。

 メトホルミンベースの治療を既に行っている心血管イベントリスクの低い患者を対象とした試験の解析からは、死亡率と心血管イベントリスクに、追加した治療薬による明らかな差は認められなかった。一方、メトホルミンベースの治療を受けている心血管イベントリスクが高い患者を対象とする試験の解析では、経口セマグルチド、リラグルチド、徐放性エキセナチド、エンパグリフロジン、ダパグリフロジンの追加投与で、全死亡リスクが低下していた。経口セマグルチド、リラグルチド、エンパグリフロジンの追加投与では、心血管死リスクも低下していた。脳卒中のオッズは、皮下セマグルチドおよびデュラグルチドで、より低かった。

 このほか、SGLT-2阻害薬の投与は、心不全による入院および末期腎不全のリスク低下と関連していた。有害事象としては、皮下セマグルチドが糖尿病網膜症の増加と、カナグリフロジンは下肢切断の増加との関連が認められた。

 著者らは、「心血管イベントリスクの低い薬物未使用患者の第一選択薬として、メトホルミンの使用は正当化されるだろう。既にメトホルミンベースの治療を受けている心血管イベントリスクが高い患者では、一部のGLP-1受容体作動薬やSGLT-2阻害薬が心血管アウトカムに好ましい影響を与える」と述べている。

 なお、この研究は、AstraZeneca社の部分的な資金提供によって行われた。

[HealthDay News 2020年6月30日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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