COVID-19発症1型糖尿病患者はDKAに要注意

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した1型糖尿病患者の臨床的な特徴が報告された。最も一般的な有害転帰は、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)だったという。

 糖尿病は、COVID-19重症化のリスク因子であることが示唆されているが、その根拠となる報告の多くは2型糖尿病患者を対象とした検討であり、1型糖尿病患者のデータは限られている。この状況を背景に、1型糖尿病患者の治療研究組織「T1D Exchange」のOsagie A. Ebekozien氏らは、同組織に関連する医療機関、およびその他49カ所の内分泌専門クリニックの合計64医療機関との共同研究として、COVID-19に罹患した、もしくは罹患の疑いがある1型糖尿病患者のレジストリを構築。2020年5月5日までに集積されたデータを解析し、「Diabetes Care」6月5日オンライン版に報告した。

 解析対象は、COVID-19陽性と判定された患者33人と、COVID-19の疑いがある31症例。

 COVID-19陽性の1型糖尿病患者は、平均年齢24.8±17.49歳、女性が54.5%、非ヒスパニック系白人が36.4%で、HbA1c中央値は8.5%。頻度の高い併存疾患は肥満(39.4%)であり、高血圧または心血管疾患(12.1%)がそれに続いた。臨床症状としては、高血糖(48.5%)、発熱(45.5%)、乾性咳嗽(39.4%)、倦怠感(33.3%)、嘔吐(33.3%)、息切れ(30.3%)、嘔気(27.3%)、身体痛・頭痛(21.2%)などが多く、悪寒、胸痛、軟便、腹痛、味覚異常、嗅覚異常はいずれも15%以下だった。有害転帰はDKAが45.5%と最も多く見られた。

 一方、COVID-19の疑いのある1型糖尿病患者は、平均年齢16.8±10.1歳、女性が48.3%、非ヒスパニック系白人が61.3%で、HbA1c中央値は8.0%。報告頻度の高い臨床症状は、高血糖(53.3%)、発熱(36.7%)、乾性咳嗽(36.7%)、嘔気(33.3%)、身体痛・頭痛(33.3%)、倦怠感(23.3%)、息切れ(23.3%)など。最も一般的な有害転帰は、COVID-19陽性患者と同様にDKA(13.3%)だった。

 以上を総括すると、全症例の50%以上で高血糖が報告され、ほぼ3分の1の患者がDKAを呈していた。

 著者らは、「われわれの知る限り、これは1型糖尿病患者のCOVID-19罹患時の臨床転帰を示した米国における初めての多施設共同研究の結果である」と述べている。

[HealthDay News 2020年6月18日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
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