GLP-1受容体作動薬「セマグルチド」の肥満症に対する治療効果 臨床試験で有意な体重減少を示す 肥満患者の治療で重要な役割

 ノボ ノルディスクは、体重管理のためのセマグルチド2.4mg週1回皮下投与試験の第3相臨床試験の主な結果を発表した。セマグルチドは、プラセボと比較して有意な体重減少を示した。
セマグルチドの肥満症に対する治療効果を検討
 ノボ ノルディスクは、体重管理のためのセマグルチド2.4mg週1回皮下投与試験の最後の2つの第3相臨床試験の主な結果を発表した。STEP 2試験は、肥満の2型糖尿病患者を対象とした試験で、STEP 3試験は、頻回行動管理療法を併用した肥満患者を対象とした試験。

 セマグルチド2.4mgの週1回皮下投与は、肥満症の成人に対する治療法として同社により検討されている。セマグルチドはGLP-1受容体作動薬で、空腹感を軽減し、満腹感を高めることで食事の量を減らし、カロリー摂取量を減らすことを助け、体重減少を促す。なお、同剤および効能・効果は日本を含めて現在開発中であり、未承認の製剤だ。

 「STEP(肥満患者におけるセマグルチドの治療効果)」は、肥満患者を対象としたセマグルチド2.4mgの週1回皮下投与による第3相臨床開発プログラム。グローバル第3相臨床プログラムは、過体重または肥満の成人約4,500名を登録した4つの試験で構成されている。

 STEP 1は、肥満または過体重の成人1,961名を対象とした、セマグルチド2.4mg皮下投与とプラセボを比較する68週間の安全性および有効性試験。

 STEP 2は、肥満または過体重の2型糖尿病の成人1,210名を対象とした、セマグルチド2.4mg皮下投与、プラセボおよびセマグルチド1.0mg週1回皮下投与を比較する68週間の安全性および有効性試験。

 STEP 3は、肥満または過体重の成人611名を対象に、頻回行動管理療法と併用した際のセマグルチド2.4mg皮下投与とプラセボを比較する68週間の安全性および有効性試験。
セマグルチド2.4mgの皮下投与群で9.6%の体重減少
 STEP 2(肥満の2型糖尿病患者対象)は、68週間の無作為割り付け、二重盲検、多施設共同、プラセボ対照試験。同試験では、セマグルチド2.4mgを週1回、68週間にわたって皮下投与した際の、プラセボおよびセマグルチド1.0mg週1回皮下投与に対する有効性および安全性が検討された。この試験は、合併症をともなう肥満または過体重の2型糖尿病の成人1,210名を対象に、生活習慣の介入を行った上で実施された。

 同試験では両主要評価項目が達成された。無作為割り付けされた全例で、セマグルチド2.4mgの皮下投与による68週間の治療群では、プラセボ群およびセマグルチド1.0mgの皮下投与群と比較して統計的に有意に優れた体重減少が示された。

 セマグルチド2.4mgの皮下投与群では、ベースラインにおける平均体重99.8kgから9.6%の体重減少が達成されたのに対し、プラセボ群における体重減少は3.4%、セマグルチド1.0mgの皮下投与群における体重減少は7.0%だった。さらに、セマグルチド2.4mgの皮下投与群の68.8%が68週後に5%以上の体重減少に達したのに対し、プラセボ群では28.5%だった。

 計画書の規定通りに治験が行われた場合の治療効果を評価したところ、セマグルチド2.4mgの皮下投与群では、68週後に10.6%の体重減少が認められたのに対し、プラセボ群では3.1%、セマグルチド1.0mgの皮下投与群では7.5%の体重減少が認められた。また、68週後に5%以上の体重減少が認められたのは、セマグルチド2.4mgの皮下投与群で73.2%であったの対し、プラセボ群では27.6%だった。
セマグルチド2.4mgと頻回行動管理療法と併用で16.0%の体重減少
 STEP 3(肥満または過体重の成人対象)は、68週間の無作為割り付け、二重盲検、多施設共同、プラセボ対照試験。同試験では、合併症をともなう肥満または過体重の成人611名を対象に、セマグルチド2.4mgを週1回、68週間にわたって皮下投与した際の、プラセボに対する効果が比較された。

 両治療は、毎週の行動サポート、栄養士によるカウンセリング、カロリー摂取を抑える食事療法などで定義される頻回行動管理療法と併用して行われた。

 同試験では、両主要評価項目が達成された。無作為割り付けされた全例で、セマグルチド2.4mgの皮下投与に頻回行動管理療法を併用した治療群では、プラセボに頻回行動管理療法を併用した治療群と比較して統計的に有意に優れた体重減少が示された。

 セマグルチド2.4mgの皮下投与に頻回行動管理療法を併用した68週間の治療群では、ベースラインにおける平均体重105.8kgから16.0%の体重減少が達成されたのに対し、プラセボに頻回行動管理療法を併用した治療群における体重減少は5.7%だった。

 さらに、セマグルチド2.4mgの皮下投与に頻回行動管理療法を併用した治療群の86.6%が68週後に5%以上の体重減少に達したのに対し、プラセボに頻回行動管理療法を併用した治療群では47.6%だった。

 計画書の規定通りに治験が行われた場合の治療効果を評価したところ、セマグルチド2.4mgの皮下投与に頻回行動管理療法を併用した治療群では17.6%の体重減少が認められたのに対し、プラセボに頻回行動管理療法を併用した治療群では5.0%の体重減少が認められた。また、5%以上の体重減少が認められたのは、セマグルチド2.4mgの皮下投与に頻回行動管理療法を併用した治療群で89.8%であったの対し、プラセボに頻回行動管理療法を併用した治療群では50.0%だった。
肥満患者の治療改善に重要な役割を果たせることを確認
 STEP 2、STEP 3試験の両方で、セマグルチド2.4mgは、これまでの試験と同様、安全かつ忍容性が良好なプロファイルを有することが示された。セマグルチド2.4mg皮下投与による主な有害事象は消化器症状で、ほとんどの事象は軽度または中等度で時間の経過とともに消失した。

 「これらの結果は、すでに報告しているSTEP 1、STEP 4試験の非常に優れた体重減少の結果をさらに強化するものです。全体を通じて、これらの試験結果は、セマグルチド2.4mgが肥満患者さんの治療の改善に重要な役割を果たすことを示しています。これでSTEPプログラムの全4試験結果を発表したことになります」と、同社では述べている。

ノボ ノルディスク ファーマ
[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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