糖尿病患者のCOVID-19による重症化や死亡にBMIが関連

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のために入院治療を受けた糖尿病患者で、気管挿管および入院1週間以内の死亡と関連する因子はBMIのみだったとの報告が、「Diabetologia」5月29日オンライン版に掲載された。

 ナント大学病院(フランス)の糖尿病専門医であるBertrand Cariou氏らは、2020年3月10日~31日にフランス国内53カ所の医療機関に、COVID-19のため入院した糖尿病患者の転帰を調べる多施設共同観察研究を実施。呼吸管理のための気管挿管および入院7日以内の死亡を主要エンドポイントとし、関連する因子を解析した。二次評価項目は、呼吸管理のための気管挿管、入院7日目までのICU入室・死亡・退院とした。

 解析対象者数は1,317人で、男性64.9%、平均年齢69.8±13.0歳、BMI28.4(中央値)で、糖尿病の病型は2型糖尿病が88.5%、1型糖尿病が3.0%、その他の型が5.4%で、残り3.1%は入院時検査で明らかになった糖尿病。その他の主な患者背景は、糖尿病罹病期間13.6±10.9年、HbA1c8.1±1.9%、細小血管症46.8%、大血管症40.8%など。

 主要エンドポイントは382件(29.0%)発生した。二次評価項目である呼吸管理のための気管挿管は267人(20.3%)に行われていた。また、入院7日目までのICUへの入室は410人(31.1%)、死亡は140人(10.6%)、退院は237人(18.0%)だった。

 主要エンドポイントの発生と関連する因子として、単変量解析では、男性、BMI高値、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)降圧薬の使用が該当した。糖尿病の病型、HbA1c、血糖降下薬の種類などは有意な因子でなかった。多変量解析の結果、BMI高値のみに主要エンドポイントとの有意な関連が認められた〔対数変換した値の1標準偏差ごとのオッズ比(OR)1.28〕。

 また、入院時点に認められた所見と主要エンドポイントとの関連については、呼吸困難(OR2.10)、リンパ球数(1標準偏差ごとのOR0.67)、CRP(同1.93)、AST(同2.23)が、有意な因子だった。

 一方、入院7日以内の死亡と関連する因子としては、多変量解析の結果、年齢(1標準偏差ごとのOR2.48)、細小血管症があること(OR2.14)、大血管症があること(OR2.54)、閉塞性睡眠時無呼吸の治療中であること(OR2.80)が、有意な因子として抽出された。

 著者らは、「この研究は、COVID-19に罹患し入院治療を受けた糖尿病患者の特徴を明らかにするとともに、血糖管理状態はCOVID-19の重症化に直接的な影響を及ぼさないことを示唆している」と述べている。

 なお、数名の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

[HealthDay News 2020年6月2日]

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  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
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