【新型コロナウイルス】血糖コントロールが良好なら糖尿病患者の重症化リスクは低い

血糖コントロールが良好ならCOVID-19重症化リスクは低い
 糖尿病は多くの感染症の重症化リスク因子であり、血糖コントロールの良否が感染症の予後に関連するとされている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についても、血糖コントロール状態が予後を規定する因子である可能性を示す報告が「Diabetes Care」5月19日オンライン版に掲載された。インスリンを用いて良好に血糖管理されている患者では、非インスリン療法の患者に比べて重症化リスクが低いという。

 カンパニア大学(イタリア)のCelestino Sardu氏らは、中等症のCOVID-19患者59人を、入院時血糖値7.77mmol/L(140mg/dL)をカットオフ値として正常血糖群と高血糖群に分類し、複合エンドポイント(疾患の重症化、ICU入室、人工呼吸器の使用、および死亡)で転帰を比較した。入院中は炎症性サイトカインのインターロイキン6(IL-6)と、血液凝固能のマーカーであるD-ダイマーを毎週測定した。

 59人のうち正常血糖群は34人(57.6%)、高血糖群は25人(42.4%)だった。高血糖群のうち入院前に糖尿病と診断されていたのは18人(72.0%)で、15人(60.0%)はインスリン療法が施行されていた。高血糖群の入院時血糖値は、インスリン療法が施行されていなかった患者では10.65±0.84mmol/L(192±15.1mg/dL)、インスリン療法が施行されていた患者では7.69±1.85mmol/L(138.4±33.3mg/dL)だった。

 入院時点において、高血糖群では正常血糖群に比べ、IL-6とD-ダイマーが有意に高かった(P<0.001)。入院中、全ての患者にCOVID-19に対する標準治療が行われたが、高血糖群のIL-6とD-ダイマーは高値で推移した。

 リスク調整後のCox回帰分析により、入院前に糖尿病と診断されていた患者、および入院時に高血糖を呈していた患者は、糖尿病と診断されておらず正常血糖だった患者に比し、疾患重症化のリスクが高かった。ただし、高血糖群においてインスリンで治療されていた患者は、インスリンが使われていなかった患者に比べ、疾患重症化のリスクが低かった。

 著者らは、「インスリン療法は糖尿病患者の血糖コントロールを良好にするとともに、COVID-19に罹患した糖尿病患者の転帰改善に効果的な方法である可能性がある」と述べている。

[HealthDay News 2020年5月28日]

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[Terahata]
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