SGLT2阻害薬はDPP-4阻害薬より重篤な腎イベントリスクが低い

 SGLT2阻害薬の腎保護作用を示唆する新たな研究結果が報告された。DPP-4阻害薬との比較において、重篤な腎イベントの発生リスクが有意に低いという。「BMJ」4月29日オンライン版に掲載された。

 カロリンスカ研究所(スウェーデン)のBjörn Pasternak氏らは、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーという3カ国の全国的な日常診療データを基に、SGLT2阻害剤とDPP-4阻害薬の腎イベントリスクを比較検討した。統合されたデータには、SGLT2阻害薬の新規処方患者3万8,273人、DPP-4阻害薬の新規処方患者10万7,854人が含まれていた。57項目の共変量による傾向性スコアをマッチさせ、各群2万9,887人の1対1に割り付け、平均1.7±1.0年間追跡した。

 一次アウトカムは、腎代替療法(透析または腎移植)、腎疾患による死亡、腎疾患による入院という3つを複合した「重篤な腎イベント」で、それら各々が個別に二次アウトカムとして設定された。対象者の平均年齢は61.3±10.5歳で、19%が心血管疾患、3%がCKDを有していた。SGLT2阻害薬群とDPP-4阻害薬群とで、年齢や性別、罹病期間、既往症、RAS阻害薬処方率などは同等だった。

 1,000人年当たりの一次アウトカム発生率は、SGLT2阻害薬群2.6、DPP-4阻害薬群6.2で、SGLT2阻害薬群が有意に低かった〔ハザード比(HR)0.42(95%信頼区間0.34~0.53)〕。二次アウトカムも全てSGLT2阻害薬群の発生率が有意に低かった(HRは腎代替療法0.32、腎疾患による死亡0.77、腎疾患による入院0.41)。

 性別、年齢別(65歳未満と以上)、心血管疾患の有無別、CKDの有無別に検討したサブグループ解析では、性別および年齢別では有意な交互作用が見られなかったが、心血管疾患の有無およびCKDの有無には交互作用が存在した。心血管疾患がない場合、SGLT2阻害薬群のDPP-4阻害薬群に対するHRは0.52(0.40~0.67)だが、心血管疾患を有する場合のHRは0.30(0.21~0.44)であり、心血管疾患を有する群でより大きなリスク差が認められた。同様に非CKDのHRは0.52(0.41~0.65)だがCKDでは0.18(0.10~0.31)であり、CKDを有する群でより大きなリスク差が認められた。

 著者らは、「この研究は臨床研究の結果を補完するものであり、幅広い2型糖尿病患者へのSGLT2阻害薬の使用を支持するものだ」と述べている。

 なお、数名の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

[HealthDay News 2020年5月1日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
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