糖尿病の発症に先行して心拍変動が生じている 韓国で5万人超を調査

糖尿病の発症前に心拍変動が先行か?
 糖尿病の発症に先行して心拍変動が生じていることを示唆する研究が報告された。非糖尿病者を追跡したところ、心拍数やLF/HF比が高い群からの糖尿病の新規発症者が有意に多かったという。研究の詳細は、「Diabetes Care」4月16日オンライン版に掲載された。

 成均館大学(韓国)のYoung Lee氏らは、ソウルの江北サムスン病院における2011~2014年の健診受診者のうち、3分間心電図検査を受けた非糖尿病の成人5万4,075人を対象とするコホート研究を実施。ベースライン時の心拍数および心拍変動関連指標と、2017年までの追跡期間中の糖尿病新規発症との関連を検討した。

 24万3,758.2人年の追跡で、1,369人が新たに糖尿病を発症した。糖尿病を発症した群と発症しなかった群を比較すると、正規化されたLF(normalized low-frequency power;nLF)、およびLF/HF比を除き、時間領域指標と周波数領域指標の双方が、糖尿病発症群においてより低値だった。

 続いてベースライン時の心拍数、nLF、正規化されたHF(normalized high-frequency power;nHF)、LF/HF比、RR 間隔の標準偏差(standard deviation of NN intervals;SDNN)、RR間隔の差の二乗平均平方根(root mean square successive differences;RMSSD)などで対象全体を三部位に分け、年齢、性別、BMI、喫煙・飲酒習慣、収縮期血圧、血清脂質、CRP、HOMA-IRで調整した後、Cox回帰分析にて糖尿病発症リスクを検討した。

 その結果、SDNN〔第1三分位群対第3三分位群のハザード比(HR)0.81、95%信頼区間0.70~0.95〕、RMSSD(HR0.76、0.65~0.90)、nHF(HR0.78、0.67~0.91)が高いほど糖尿病発症リスクは低いという関係が認められた。一方、心拍数(HR1.41、1.21~1.65)、nLF(HR1.32、1.13~1.53)、LF/HF比(HR1.31、1.13~1.53)の増加は糖尿病リスクの上昇と関連していた。

 以上の結果から著者らは、「異常な心拍変動、特に迷走神経活動の低下と交感神経活動バランスの乱れが、糖尿病の発症に先行する可能性がある」と結論をまとめている。

[HealthDay News 2020年4月22日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
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