【新型コロナウイルス】COVID-19のリードワクチン候補を同定 9月までに第1相臨床試験を開始 10億ドル超を研究開発に投入

2020.04.09
 ジョンソン・エンド・ジョンソンは3月31日、2020年1月以降取り組んでいる構成体からCOVID-19ワクチンの主要候補を同定したと発表した。

2020年9月までに第1相臨床試験を開始

 ジョンソン・エンド・ジョンソンは2020年1月に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の配列を入手し、有望なワクチン候補を調査する取り組みを開始した。

 同社の医薬品部門であるヤンセン ファーマシューティカル カンパニーズの研究チームは、ハーバード大学医学部附属病院ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンター(BIDMC)と共同で、ヤンセンのAdVac技術を使用して複数のワクチン候補を作製しテストした。

 その後、複数の学術機関の科学者と共同でワクチンの構成体をテストし、前臨床試験で免疫応答を生み出すのに最も有望な構成体を同定するのに成功した。同社はこの研究に基づき、最初の製造ステップに進む、COVID-19のリードワクチン候補(2つの予備候補あり)を同定した。

 これを受け、2020年9月に第1相臨床試験を開始することを目指している。これにより、緊急用ワクチンは2021年初頭にも利用できるようになる見込みだ。

 通常のワクチン開発プロセスには、候補の承認プロセスの開始前にも、5年から7年にわたるさまざまな研究段階があるが、今回については通常のワクチン開発プロセスと比較して大幅に期間が短縮される。

米国保健福祉省と提携 10億ドル超を研究開発に投入

 ヤンセンと米国生物医学先端研究開発局(BARDA)は、提携を大幅に拡大し、10億回分を超えるワクチンを世界規模で供給することを目指して製造能力を拡大を進めている。

 新規提携を通じて、米国保健社会福祉省の事前準備・対応担当次官補局(ASPR)の一部であるBARDAと同社は、共同で10億ドルを超える投資を行い、ワクチンの研究、開発、臨床試験に共同出資した。

 同社は、検証済みのワクチンプラットフォームを使用し、これらに重点的に取り組むために、必要に応じて人員やインフラなどのリソースを世界中に割り当てる。

 また、新型コロナウイルスに対する有望な抗ウイルス治療薬を同定し進行中の取り組みを拡大できるよう、両者は別に追加の資金を提供した。

 これらの抗ウイルススクリーニングの取り組みは、ベルギーのレガ医学研究所(ルーヴェン・カトリック大学/ルーベン大学)と共同で実施している。

10億回分を超えるワクチンを世界中で供給

 米国の製造拠点を新たに設立し、米国外での生産能力を拡大し、世界的な製造能力の拡大を目指している。これによりワクチンの迅速な生産が可能になり、10億回分を超えるワクチンを世界中で供給できるようになるという。

 SARS-CoV-2は呼吸器系を攻撃するコロナウイルスと呼ばれるウイルス群に属しており、現在のところ、COVID-19に対する承認済みのワクチンおよび治療薬はない。

 「世界は公衆衛生上の緊急事態に直面しており、COVID-19のワクチンをできるだけ早く、手頃な価格で、世界中で入手できるようにするという役割に全力で取り組んでいます」と、同社では述べている。

ジョンソン・エンド・ジョンソン

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