糖尿病による下肢合併症が増加、世界人口の1.8%が罹患

 糖尿病関連下肢合併症が世界中で増えており、2016年時点の有病率は1.8%とする報告が「Diabetes Care」3月5日オンライン版に掲載された。クイーンズランド工科大学(オーストラリア)のYuqi Zhang氏らが「世界の疾病負荷(GBD)研究」のデータを用いて推計し明らかになった。糖尿病関連下肢合併症が、障害に伴う世界的な負担の増加に大きな影響を及ぼしているという。

 Zhang氏らは糖尿病性神経障害、足潰瘍、下肢切断(補装具を必要とするものとそうでないもの)の、2016年時点の患者数と障害生存年数(YLD)を検討した。その結果、神経障害の患者数は1億560万人、足潰瘍は1860万人、補装具を必要としない下肢切断は430万人、補装具を必要とする下肢切断は250万人で、計1億3100万人であり、有病率は1.8%と推計された。

 またYLDは、神経障害が1290万、足潰瘍が250万、補装具を必要としない下肢切断が110万、補装具を必要とする下肢切断が40万で、計1680万となり、これは2016年の全YLDの2.1%に相当した。年齢別では50~69歳のYLDが47.8%であり、糖尿病関連下肢合併症によるYLDのほぼ半数を占めた。なお、年齢標準化YLDの男女比は、神経障害0.96、足潰瘍1.93、下肢切断(補装具を必要とするもの/しないものいずれも)1.56だった。

 著者らは、「一般的な糖尿病治療戦略は合併症の予防につながるため、結果的に下肢合併症による障害に伴う負担軽減に役立つだろう。しかし最も重要なことは、エビデンスに基づくガイドラインに準拠した学際的なフットケアサービスの導入など、下肢合併症に特異的な治療戦略の確立である」と述べている。

 なお、本報告は国別の推計データも示している。それによると、日本の2016年の推計患者数は神経障害462万人、足潰瘍46万人、補装具を必要としない下肢切断2万人、補装具を必要とする下肢切断3万5,000人となっている。

 1990年の日本国内の患者数は同順に356万人、31万人、1万5,000人、2万5,000人であり、糖尿病関連下肢合併症が国内でも増加していることが分かる。ただし年齢標準化有病率を見ると、世界全体では増加傾向にあるものの、国内では低下傾向にある。

[HealthDay News 2020年3月10日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
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