高齢糖尿病患者などで血糖コントロールが厳格過ぎる 低血糖リスクが高い可能性

併存疾患のある患者や高齢患者の血糖管理が厳格過ぎる可能性
 高齢糖尿病患者や、糖尿病以外の複数の疾患が併存する患者は、厳格な血糖管理のメリットが相対的に低い一方で低血糖リスクが高い可能性が考えられ、慎重な血糖管理が必要とされる。しかし実臨床においては、それらに該当しない患者よりもむしろHbA1cが低めにコントロールされているとする報告が、「BMJ Open Diabetes Research & Care」2月19日オンライン版に掲載された。

 米メイヨークリニックのRozalina G. McCoy氏らは、2型糖尿病患者19万4,157人の血糖管理状況と年齢、併存疾患の関連を検討した。主な患者背景は、平均年齢66.2±11.7歳、女性が50.9%、HbA1c7.2±1.5%で、91.5%の患者に1つ以上の併存疾患があり、併存疾患数は2.1±1.5、チャールソン併存疾患指数は3.0±2.3だった。

 解析に際し、年齢を18~44歳、45~64歳、65~74歳、75歳以上の4群に層別化し、併存疾患については、糖尿病との関連が強いものとそうでないもの、および重篤なものに分け、計16疾患を評価対象とした。糖尿病との関連が強い主な併存疾患としては高血圧(84.3%)、神経障害(23.6%)、脳血管疾患(11.9%)、ステージ3~4のCKD(11.4%)などがあり、関連が薄い併存疾患としては関節炎(21.6%)、COPD(13.5%)、うつ病(10.5%)などが多かった。また重篤な併存疾患としては、がん(9.5%)、認知症(2.7%)、末期腎不全(1.4%)などが見られた。

 結果について、まず年齢階層別にHbA1cを見ると、18~44歳で7.71±2.01%と最も高く、次いで45~64歳では7.49±1.71%、65~74歳は7.08±1.30%、75歳以上6.92±1.15%と、年齢が高い階層ほどHbA1cが低かった。

 次に併存疾患との関連では、併存疾患がない患者は7.41±1.72%であるのに対し、糖尿病との関連が強い併存疾患のみがある患者は7.30±1.49%、糖尿病との関連が薄い併存疾患のみがある患者は7.06±1.53%であり、両方の併存疾患がある患者は7.12±1.42%、重篤な併存疾患がある患者は7.00±1.32%だった。

 インスリン使用のオッズ比は年齢とともに低下したが(18~44歳に対して75歳以上はOR0.51)、併存疾患の数に応じて上昇した(糖尿病との関連が強い併存疾患がない患者に対して3つ以上の併存疾患がある患者はOR5.50)。反対にSU薬使用のオッズ比は年齢とともに上昇し(前記と同じ条件でのOR1.36)、併存疾患の数に応じて低下した(同0.76)。

 これらの結果を基に著者らは、「われわれの研究は、高齢患者と複数の併存疾患のある患者に対し、厳格な血糖管理を緩和すべき状況が少なくないことを示唆している」と結論をまとめている。(HealthDay News 2020年2月21日)

[HealthDay News 2020年2月18日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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