SGLT2阻害薬の心血管保護効果は背景因子に関わらず有意

 SGLT2阻害薬の心血管イベント抑制効果は腎機能やイベント既往の有無に関わらず一貫しているとするメタ解析の結果が、「Journal of the American Heart Association」1月29日オンライン版に掲載された。腎機能低下例での脳卒中リスクの有意な抑制作用も認められた。

 ニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)のClare Arnott氏らは、SGLT2阻害薬の臨床効果に関する報告のメタ解析を実施。プラセボ対照ランダム化比較試験のうち、1型糖尿病対象の試験や合剤を用いた試験を除外すると、EMPA-REG OUTCOME、CANVAS、DECLARE-TIMI 589、CREDENCE10の4件が抽出された。

 解析対象患者数は合計3万8,723人で、59%に心血管疾患の既往があり、20%は腎機能低下、12%は心不全を有していた。評価したアウトカムは、主要心血管イベント(MACE)、心不全入院、全死亡など。

 平均2.9年の追跡期間中に3,828件のイベントが発生していた。SGLT2阻害薬群では、脳卒中を除く全てのアウトカムで有意なリスク低下が確認された(ハザード比はMACE0.88、心不全入院0.68、全死亡0.85)。

 この傾向は、ベースライン時の心血管疾患の既往および心不全の有無でサブグループ化した解析でもほぼ同様であり、患者背景によらずSGLT2阻害薬によるイベント抑制効果が観察された。さらに腎機能別のサブグループ解析では、全体解析で有意性が認められなかった脳卒中リスクが、eGFR60mL/分/1.73m²未満の群で有意に抑制されていた(同0.75)。

 このほか、SGLT2阻害薬は重篤な有害事象(SAE)のリスクの有意な低下と関連していた(同0.91)。ただし有害事象を個別に見ると、ケトアシドーシス(同2.46)と下肢切断(同1.23)の有意なリスク上昇が認められた。重症低血糖や骨折リスクは有意差がなかった。

 著者らは、「2型糖尿病患者やイベントハイリスク者に対しては、心血管疾患の既往がない場合でも、SGLT2阻害薬の使用を検討すべき」と述べている。

 なお、数名の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

[HealthDay News 2020年2月18日]

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[Terahata]
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