膵島抗体スクリーニングで小児1型糖尿病リスクを評価可能

 小児における膵島自己抗体陽性率は0.31%とするドイツからの報告が「Journal of the American Medical Association(JAMA)」1月28日オンライン版に掲載された。膵島自己抗体陽性の場合、年9.0%の頻度で1型糖尿病を発症するという。

 ドイツ環境衛生研究センターのAnette-Gabriele Ziegler氏らは、2015~2019年に同国バイエルン州の小児プライマリケア医を受診した9万632人の小児〔年齢中央値3.1(四分位範囲2.1~4.2)歳、うち48.5%が女児〕を対象とする、膵島自己抗体スクリーニングの結果を解析した。

 2つ以上の膵島自己抗体を保有しており、スクリーニング時点で血糖が正常の場合をステージ1の発症前1型糖尿病と定義すると196人(0.22%)が該当し、血糖異常が認められるステージ2は17人(0.02%)、臨床的に糖尿病と判定されるステージ3は26人(0.03%)が該当した。ステージを特定できなかった41人を加え、計280人(0.31%)が複数の膵島自己抗体陽性だった。

 この280人については、保護者に対する教育プログラムへの参加を促すとともに、2.4年間(中央値)追跡調査が続けられた。その結果、追跡期間中にステージ3の1型糖尿病の累積発症率は24.9%となり、年換算発症率は9.0%だった。また、そのうち2人に糖尿病性ケトアシドーシスが見られた。なお、スクリーニングでは発症前1型糖尿病と判定されなかった群においても、追跡期間中に36人がステージ3の1型糖尿病状態となった。

 このほか、膵島自己抗体陽性の子どもの親はうつスコア(patient health questionnaire-9;PHQ-9)が3点(中央値)であり、自己抗体陰性の子どもの親の2点(同)に比較して有意に高いことが分かった(P=0.02)。ただし12カ月後の追跡調査では、自己抗体陽性の子どもの親も2点に低下していた。

 Ziegler氏は、「この研究での重要な発見は、発症前1型糖尿病小児の疾患進行リスクが年率9%であるということだ」と述べ、「複数の抗体を検査することによって遺伝的背景の相違を考慮せずとも、あらゆる集団から1型糖尿病のリスクがある子どもを特定することが可能である」と語っている。

[HealthDay News 2020年2月7日]

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[Terahata]
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