NAFLD併発2型糖尿病患者の医療費が今後20年で6兆円――米国の推計

 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を併発した2型糖尿病患者の増加に伴い、米国では今後20年間で6兆円の医療コスト負担が発生するとの推計が「Diabetes Care」1月6日オンライン版に掲載された。また、必要とされる肝移植の手術件数や心血管死の増加など、臨床にも多大なインパクトを及ぼすことが予想されるという。

 NAFLDは、アルコール摂取量は肝臓に障害を起こすほどではない、またはアルコールを全く飲まないにも関わらず発症する脂肪肝で、メタボリックシンドロームの肝臓における表現型と考えられている。NAFLDが進行すると非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を発症し、将来の肝がんリスクにつながる。国内においても近年、ウイルス性肝炎が減っているのに対し、NAFLDやNASHの増加が問題になっている。

 米イノヴァヘルスシステムのZobair M. Younossi氏らは、NASHを併発した2型糖尿病患者が増加することによる経済的負担の変動を予測するマルコフモデルを構築した。モデル構築には、2017年時点の人口、2型糖尿病およびNASHの有病率・罹患率、肝線維化指標、肝関連死亡率・心血管死亡率など10種類の健康関連パラメーターと、医療費請求データなどを利用した。

 その結果、米国内には現在、NAFLD併発2型糖尿病患者が1,820万人いると推計された。このうち640万人は既にNASHに進行していると考えられた。そして今後20年間で、これらの患者のNAFLD治療のため558億ドル(6兆1300億円)の医療費が発生し、6万5,000件の肝移植が必要になり、137万件の心血管死、81万2,000件の肝関連死が発生すると予測された。

 著者らは、「臨床医、医療費支払機関、政策立案者、および製薬業界は、2型糖尿病患者にNASHが併発した場合の臨床上の影響だけでなく、経済的負担や長期的アウトカムへの影響についても理解しなければならない」と述べている。

 なお、数名の著者が、本研究の資金の一部を提供したブリストル・マイヤーズスクイブを含む製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

[HealthDay News 2020年1月14日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
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