高齢1型糖尿病患者では重症低血糖が認知機能低下のリスク

 高齢1型糖尿病患者において重症低血糖が認知機能低下のリスクであるとする報告が「Diabetes Care」12月27日オンライン版に掲載された。

 1型糖尿病の治療が進歩したことで患者の高齢化が進行しており、認知機能に及ぼす重症低血糖の影響を理解する必要性が生じている。しかし1型糖尿病患者の重症低血糖と認知機能の関連については従来、小児を対象とする研究報告が多くを占めていた。高齢者の低血糖と認知機能の関連は主に2型糖尿病患者を対象とする研究が主体であり、高齢1型糖尿病患者に関する知見は少なかった。

 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のMary E. Lacy氏らは、高齢糖尿病患者を対象とする「SOLID(study of longevity in diabetes)研究」のデータを用い、718人(平均年齢67.2歳)の高齢1型糖尿病患者を解析対象として、重症低血糖の既往と認知機能の関係を検討した。

 重症低血糖は本人からの自己報告に基づき、入院または救急部門の受診を要する低血糖で定義した。また認知機能は、全般的認知機能のほか、特異的認知機能として言語能力、実行機能、エピソード記憶、単純な注意力を評価した。

 解析対象の50%は少なくとも1回の重症低血糖の既往があり、32%は過去12カ月以内に重症低血糖を経験していた。過去12カ月以内の重症低血糖の経験は、全般的認知機能の低下と関連が見られた(オッズ比3.22、95%信頼区間1.30~7.94)。また特異的認知機能のうち、言語能力や実行機能、エピソード記憶との有意な関連も認められた。少なくとも1回の重症低血糖の既往があることは、実行機能の低下と有意に関連していた。

 著者らは、「これらの結果は、高齢1型糖尿病患者の脳の健康維持に重症低血糖が有害であることを示唆するものであり、重症低血糖予防の重要性が明らかになった」と述べている。

[HealthDay News 2020年1月3日]

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[Terahata]
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