歯周病の治療で糖尿病の合併症が減り、費用対効果がアップ

 2型糖尿病患者の歯周病を積極的に治療すると、合併症が大幅に抑制されるとともに、糖尿病治療全体の費用対効果も向上する可能性が報告された。米ハーバード大学歯学部のSung Eun Choi氏らの研究によるもので、詳細は「Diabetes Care」12月27日オンライン版に掲載された。

 米国では保険者の一部が、糖尿病などの慢性疾患患者の歯周病に対する非外科的治療の保険適用を開始した。Choi氏らの研究は、このような口腔疾患の治療適用拡大で期待される、2型糖尿病患者の臨床アウトカムへの影響と費用対効果の検証を試みたもの。

 検証手法としては、条件が変化した場合の影響を確率的に推計するマイクロシミュレーションモデルを採用。解析の基礎となるパラメータは、2009~2014年の米国国民健康栄養調査(NHANES)、および2型糖尿病患者を対象に歯周病治療の効果を検討したランダム化比較試験のデータを用いた。

 結果について、まず臨床アウトカムを見ると、歯周病治療の直接的効果として歯の喪失が34.1%抑制されることがわかった。また細小血管症は、腎症が20.5%、神経障害が17.7%、網膜症が19.2%抑制されると推計された。

 次に医療費については、治療の適用拡大によって歯周病治療に要するコストが新たに発生するにも関わらず、医療費のトータルコストは患者1人当たり5,904ドル(約65万円)節約されると計算された。また、質調整生存年(Quality-adjusted life year;QALY)が0.6年延長すると予測された。

 著者らは、「口腔状態が不良な2型糖尿病患者に歯周病治療を勧めることは、健康状態を改善し、かつ医療費の節約につながり費用対効果が高い」と述べている。

[HealthDay News 2020年1月3日]

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[Terahata]
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