高齢2型糖尿病患者の低血糖リスクを3項目で評価

 米国内分泌学会(ENDO)は、高齢2型糖尿病患者の中で低血糖ハイリスク状態にある患者を、外来での手短なチェックによって抽出する手法を作成し「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」12月24日オンライン版に公開した。同学会ではこれまで、1型および2型糖尿病患者の低血糖リスクを外来で把握する手法を開発するため、専門委員会を設置し検討を重ねていた。

 この専門委員会がまとめた最終報告は、65歳以上の2型糖尿病患者を対象とする内容となった。検討過程においては1型糖尿病患者の低血糖も含めることが考慮されたが、1型と2型では低血糖の発生率やその影響などが大きく異なるため、結果的に2型糖尿病患者のみに焦点を当てることとした。

 糖尿病治療に伴う低血糖は患者のQOLを低下させるため、そのリスクを把握した上での的確な対処が必要だが、一般内科医が外来でそのリスク評価に当てられる時間は限られている。この現状に対応し、今回発表された内容は、まず外来で低血糖リスクが高い患者を抽出することを主眼にしている。具体的には以下の3条件のいずれかに該当した場合、低血糖ハイリスク患者と判定する。

 1.過去1年以内に、米国糖尿病協会(ADA)の定義によるレベル2(血糖値が54mg/dL未満になり早急な処置を必要とする低血糖)、またはレベル3(精神的または身体的変化を生じて回復に援助が必要な重症低血糖)の低血糖の記録がある。

 2.インスリンまたはインスリン分泌促進薬(SU薬やグリニド薬)が処方されていて、過去6ヵ月以内にHbA1c7%未満の記録がある。

 3.インスリンまたはインスリン分泌促進薬が処方されていて、以下の関連疾患のうち少なくとも1つが併存する。無自覚性低血糖、病期3b以上の慢性腎臓病、末期腎不全、認知機能障害、慢性肝疾患、副腎不全、下垂体機能低下症。

 専門委員会の一員で同国にある高齢者施設Hebrew SeniorLifeの医師であるJames L. Rosenzweig氏は、「低血糖対策は、糖尿病治療において進歩の余地が残されている領域」とし、今回の報告を「臨床医が低血糖リスクのある患者を選び出し、低血糖に対処するのに役立つものだ」と述べている。

[HealthDay News 2019年12月24日]

関連情報

Copyright ©2020 HealthDay. All rights reserved.
[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶