男性は運動により空腹時GLP-1が低下し糖負荷後の応答が改善

 中等度の運動を習慣的に行っている男性は空腹時GLP-1値が低く、かつ糖負荷後の分泌量がより大きく増加することが報告された。コペンハーゲン大学(デンマーク)のCharlotte Janus氏らの研究によるもので、詳細は「Endocrine Connections」12月1日オンライン版に掲載された。

 身体活動量が多いほど糖尿病リスクが低下する。その機序の一部に、食欲抑制作用やインスリン分泌刺激を介した血糖降下作用のあるGLP-1の分泌が、身体活動量に応じて増加することが関与している可能性がある。ただし習慣的な運動とGLP-1分泌の関係は明らかになっていない。

 そこでJanus氏らは、身体活動と糖代謝指標との関連を検証したコホート研究「ADDITION-PRO」の登録者1,326人を対象に、運動習慣とGLP-1値との関連を検討。対象者は平均年齢が66±7歳、BMIは27.1±4.5で、耐糖能正常が53.0%、糖尿病前症が35.6%、糖尿病が11.4%。7日間にわたり計測した加速度計と心拍数のデータを基に、身体活動量と心肺機能(CRF)を評価した。

 対象者を性別で分けると男性(703人)は、中等度の運動を1日当たり平均約32分実施しており、女性は約22分行っていた。またCRFは男性30.8±5.4 mLO2/kg/分、女性は28.7±5.1 mLO2/kg/分だった。

 年齢、BMI、インスリン感受性で調整し検討した結果、男性では1日当たりの中等度運動の実施時間が1時間長いごとに空腹時GLP-1値が19.5%低下し相関が有意だった(P=0.021)。CRFが高いこと(P=0.010)や身体活動量が多いことも(P=0.008)、空腹時GLP-1値が低いことと関連していた。

 また、OGTTによるGLP-1の変動を見ると、1日当たりの中等度運動の実施時間が1時間長いごとに、糖負荷後30分までの変動曲線下面積が15.8%(P=0.038)、負荷後120分まででは20.0%(P=0.022)、いずれも有意に増加しており、習慣的な運動によって糖負荷によるGLP-1応答が改善することが示唆された。ただし今回の検討では、女性ではこのような運動とGLP-1動態との関連は認められなかった。

 これらの結果について著者らは、「GLP-1分泌に対する中等度の運動の有効性を示すもの」と位置づけ、「習慣的な身体活動が空腹時およびグルコース誘発性GLP-1分泌に影響を及ぼす分子メカニズムの研究が必要」と述べている。

 なお、数名の著者が、ノボノルディスク財団との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

[HealthDay News 2019年12月13日]

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