一般診療への薬剤師の主導的介入でHbA1cが有意に改善

 一般診療に薬剤師が介入するとHbA1cや血圧などの心血管疾患リスク因子のコントロールが有意に改善することが報告された。英バーミンガム大学のAbdullah A. Alshehri氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果で、詳細は「British Journal of Clinical Pharmacology」11月27日オンライン版に掲載された。

 Alshehri氏らは、PubMed、EMBASEなど計8件のデータベースから、「薬剤師」、「一般診療」、「心血管疾患」、「糖尿病」、「高血圧」、「脂質異常症」などのキーワードで検索し、ヒットした1,604件の関連論文から、一般診療で実施される薬剤師の介入の有効性を評価したランダム化比較試験(RCT)を抽出。薬局や二次・三次医療機関で行われた研究は除外した。

 最終的に解析の対象としたのは21件のRCTで、うち14件が糖尿病患者、7件が高血圧患者、2件が脂質異常症患者を研究対象に含んでいた。糖尿病と高血圧を併発している患者を対象とした研究も2件あった。研究対象患者数の合計は8,933人だった。

 解析の結果、薬剤師が主導的に介入した場合、糖尿病の管理に関してはHbA1cが非介入に対して-0.76%(95%信頼区間-1.15~-0.37)であり、有意な改善が認められた。また血圧に関しては、収縮期血圧が-9.33mmHg(同-13.36~-5.30)、拡張期血圧が-3.71mmHg(同-6.00~-1.43)であり、ともに有意な改善が認められた。

 脂質に関しても、総コレステロールが-20.24 mg/dL(同-33.53~-6.95)、LDL-コレステロールが-15.19 mg/dL(同-24.05~-6.33)、トリグリセライドが-37.90mg/dL(同-58.81~-16.98)であり、それぞれ有意な改善が認められた。なお、HDL-コレステロールは薬剤師介入により4.56mg/dL(-0.62~9.75)高値となり、有意でないが改善する傾向にあった。

 薬剤師の主導的介入により、患者の服薬順守状況の改善も認められた。また医療コストを検証した3件の研究から、薬剤師介入は費用対効果も高いことも示された。

 研究グループは、「これらの調査結果は、一般診療における薬剤師主導の介入が心血管疾患のリスク因子を大幅に改善できることを示唆している」とし、「糖尿病、高血圧および脂質異常症の患者管理に際し、医療提供者として薬剤師が関与することを支持するものだ」とまとめている。

[HealthDay News 2019年12月6日]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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