1型糖尿病女性は閉経前後に冠動脈石灰化が急速に進む

 1型糖尿病の女性患者は閉経前後に冠動脈の石灰化が急速に進むとする報告が、「Diabetes Care」12月号に掲載された。他の心血管疾患リスク因子で調整しても、非糖尿病女性と有意差があるという。

 米コロラド大学のAmena Keshawarz氏らは、1型糖尿病女性311人と非糖尿病女性325人を18年以上追跡し、冠動脈CTにより石灰化の進展を比較した。ベースラインにおいて、1型糖尿病群は非糖尿病群より年齢がやや若かった(34±8対36±8歳、P=0.01)。また石灰化の指標であるアガストンスコア(25.10±102.00対1.37±7.88)やアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)スコア、収縮期血圧も1型糖尿病女性が有意に高かった。

 一方、eGFRは有意差がなく、LDL-コレステロールやトリグリセライドは1型糖尿病女性の方が有意に低かった。1型糖尿病女性の平均HbA1cは8.0±1.4%だった。

 追跡期間中に、1型糖尿病女性の24%、非糖尿病女性の30%が閉経した。閉経年齢はそれぞれ50±6歳、50±8歳だった。追跡期間中に最大4回施行された冠動脈CTの結果から、1型糖尿病女性では経時的な石灰化進展が認められた。

 糖尿病の有無と閉経の前後で全体を4群に分け石灰化のボリュームを見ると、1型糖尿病女性では閉経前2.91±0.18mm³、閉経後5.14±0.30mm³、非糖尿病女性では閉経前1.78±0.17mm³、閉経後1.78±0.26mm³だった。年齢およびベースライン時の石灰化スコアで調整すると、1型糖尿病女性では閉経前後で有意な石灰化の進展が確認されたのに対し、非糖尿病女性では有意な変化は見られなかった。調整因子として、ASCVDスコアや血圧、卵巣機能を加えても、この結果は変わらなかった。

 1型糖尿病は心血管疾患のリスク因子だが、その影響は女性の方が男性よりも強いことが知られており、非糖尿病者に比較し女性では9倍、男性では4倍のリスク増と報告されている。そして世界的に1型糖尿病の発症率は年に3〜5%ずつ増加し、かつ治療の進歩により患者の寿命が延びてきている。

 著者らは、このような現状と本研究の結果から「1型糖尿病女性は閉経を経て高齢者となり、さらに長い年月を過ごすことになる。糖尿病に加え、女性特有のリスク因子が相互に作用し心血管疾患のリスクに影響を与える可能性があることを理解し、どのような治療がこのリスクを低下させるのに有効なのか研究が不可欠だ」と述べている。

[HealthDay News 2019年12月3日]

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