低血糖は心室性不整脈や心臓突然死のリスク上昇と関連

 2型糖尿病患者では低血糖が心室性不整脈および心臓突然死のリスク上昇と関連しているとする、台中退役軍人総合病院(台湾)のYu-Cheng Hsieh氏らの報告が「Diabetes/Metabolism Research and Reviews」10月26日オンライン版に掲載された。

 この研究は、2001~2010年に診断された20歳以上の2型糖尿病患者のうち、少なくとも1回の低血糖エピソードの記録がある患者1,037人と、年齢・糖尿病罹病期間をマッチさせた低血糖エピソードのない患者4,148人を比較対照群として平均3.3±2.5年追跡し、心室性不整脈および心臓突然死の発生率を検討したもの。ベースライン時において、低血糖の既往がある群は対照群に比べ女性の割合が高く、高血圧、慢性腎臓病、心房細動、うっ血性心不全、冠動脈疾患、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患を有する率が高かった。

 追跡期間中に29件のイベントが発生。イベント回避生存率をカプランマイヤー法で検討すると、低血糖の既往がある群は対照群に比べて有意に低値だった(P=0.0007)。イベント発生リスクを、年齢、性、およびベースライン時に有意差が見られた因子で調整して比較すると、低血糖の既往がある群の調整ハザード比(aHR)は2.84(P=0.01)だった。これを低血糖エピソードの回数別に見ると、エピソードが1~2回の場合はaHR2.42(P=0.04)、エピソードが3回以上の場合はaHR5.64(P=0.008)となった。

 調整因子に血糖降下薬の使用を追加すると、aHR2.32(P=0.06)と有意ではなくなった。このことから、血糖降下薬の使用がイベントリスク上昇に関与していると考えられた。薬剤別に見ると、インスリンを用いている患者においてリスクが有意に高いことがわかった(aHR3.05、P=0.01)。

 著者らは「インスリンやスルホニル尿素薬の服用など、低血糖を誘発する因子を有する患者は、心室性不整脈や心臓突然死のリスクを最小限に抑えるため、血糖値を厳格にモニターする必要がある。シミュレーション教育や疾患管理プログラムの実施が低血糖の認知に役立つかもしれない」と述べている。

[HealthDay News 2019年10月30日]

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