インスリン注入を自動化するクローズドループシステム CSII+CGMより血糖管理を向上

次世代型人工膵臓がCSII+CGMより血糖管理を向上
 いわゆる"人工膵臓"の最新バージョンによって現行のデバイスよりも1型糖尿病患者の血糖を良好に管理できる可能性が報告された。米ヴァージニア大学のSue Brown氏らの研究によるもので、「New England Journal of Medicine」10月16日オンライン版に掲載された。

 今回の研究で効果が検証されたのは、インスリンポンプ(CSII)と連続血糖測定(CGM)、およびコンピューターアルゴリズムにより構成された、Tandem Diabetes社製の「Control-IQ」。クローズドループと呼ばれる自動インスリン注入デバイスで、血糖値を連続的に測定し、血糖値の上昇に合わせてインスリンを注入するだけでなく、血糖値が低下しすぎた場合は注入を一時的に停止する。

 Brown氏らは、168人の1型糖尿病患者(14~71歳、HbA1c5.4~10.6%)を、この新デバイスを使用する群とCSIIにCGMを併用する群(対照群)に、ランダムに2対1に割付け6カ月間観察した。観察期間中、被験者に対して食生活などの生活習慣の変更は指示しなかった。

 主要評価項目である血糖値が70~180mg/dLの範囲内にあった時間の割合は、新デバイス群はベースラインにおいて61±17%だったものが、6カ月で71±12%に上昇した。それに対して対照群はベースラインの59±14%から変化がなかった(調整後群間差11ポイント、95%信頼区間9~14、P<0.001)。

 副次的に評価した、血糖値が180mg/dLを上回る時間、70mg/dL未満、54mg/dL未満の時間の割合、平均血糖値、HbA1cも全て、新デバイス群の方が良好だった。具体的には、6カ月間の平均HbA1cは調整後群間差(新デバイス群-対照群)が-0.33ポイント(95%信頼区間-0.53~-0.13、P=0.001)、血糖値が70mg/dL未満の時間の割合は同-0.88ポイント(-1.19~-0.57、P<0.001)だった。

 新システム群においてクローズドループモードが使用されていた時間は6カ月間で90%(中央値)だった。有害事象としては、両群ともに重症低血糖は見られなかった。新デバイス群で、ポンプチューブが閉塞しインスリン注入が途絶えたことによる糖尿病ケトアシドーシスが1件発生した。

 著者らは「インスリン注入を自動化するクローズドループシステムは、1型糖尿病患者の血糖管理を改善する可能性がある」と述べている。

 なお、数名の著者が、Medtronicを含む医療機器企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

[HealthDay News 2019年10月17日]

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