2型糖尿病患者はインフルエンザ入院の頻度は高いが死亡率は低い

 2009年にインフルエンザA(H1N1)pdm09がパンデミックを起こした際、2型糖尿病患者の入院率は2型糖尿病でない者より高かったものの、入院後の死亡率は低かったというデータがノルウェーから報告された。ノルウェー公衆衛生研究所のPaz L.D. Ruiz氏らの研究によるもので、「Journal of Internal Medicine」10月6日オンライン版に掲載された。

 Ruiz氏らは2009年1月1日時点で30歳以上だったノルウェー国民299万2,228人の医療情報データを2013年末まで追跡。2型糖尿病患者のインフルエンザによる入院リスク、入院中の死亡率、予防接種の効果などを検討した。なお、ベースライン時の2型糖尿病患者数は14万9,432人で有病率5.0%だった。

 パンデミック期間中に2型糖尿病患者の0.08%にあたる126人がインフルエンザで入院し、2型糖尿病でない者は1,163人(0.04%)が入院した。2型糖尿病患者のインフルエンザ入院の調整ハザード比(aHR)は2.46であり(年齢、教育、出身国、居住国で調整)、有意なリスク増加が見られた。

 一方、インフルエンザ入院に関連する死亡(インフルエンザ以外の原因による死亡も含む)は2型糖尿病患者23人、2型糖尿病でない者127人だった。インフルエンザ入院をしなかった群を基準とした場合のaHRは、前者が1.82、後者が3.89であり、2型糖尿病患者のインフルエンザ入院に関連する死亡リスクはむしろ低いことがわかった。さらに入院から90日以内の全死亡のaHRを見ると、2型糖尿病患者は3.89、2型糖尿病でない者は10.79だった。

 予防接種を受けていた場合、2型糖尿病患者では入院リスクのaHRが0.22、4年以内の死亡リスクが0.75と有意に低下していた。2型糖尿病でない者も予防接種によるリスク低下は有意だったが、aHRはそれぞれ0.41、0.91だった。

 以上の結果を踏まえ著者らは、「2型糖尿病患者のインフルエンザ予防接種の重要性を裏付けるものだ」と述べている。2型糖尿病患者において、インフルエンザ入院のリスクが高い一方、死亡リスクは低かったことについては、2型糖尿病を有することで入院の閾値が低くなっていた可能性を考察している。

 なお、数名の著者がノボノルディスク、サノフィ、メルクとの利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

[HealthDay News 2019年10月11日]

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[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
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