台風などの災害後は高齢患者の死亡リスクが上昇 影響は長期に及ぶ

災害後は長期間、高齢糖尿病患者の死亡リスクが上昇する
 大規模災害の発生後には、高齢糖尿病患者の死亡リスクが長期にわたって上昇することが米国から報告された。2005年に発生した大型ハリケーン「カトリーナ」と「リタ」の影響を調べた結果。ハリケーン発生から10年経過してもなお、死亡リスクが高い状態が続いていたという。米南フロリダ大学のTroy Quast氏らによる研究報告で、詳細は「Diabetes Care」9月23日オンライン版に掲載された。

 カトリーナは2005年8月末に米国南東部を襲った大型ハリケーンで、勢力は最高ランクのカテゴリー5を記録した。カトリーナに続いて同年9月下旬にはまたもカテゴリー5のリタが米国南東部に来襲。この2つの大型ハリケーンによって広大な範囲に甚大な被害がもたらされ、死者・行方不明者は約2,500人に上ったと報告されている。

 Quast氏らは、カトリーナとリタによる被害が大きかった4つの州において、メディケアの記載・請求データを後ろ向きに解析することで、糖尿病患者への影響を調べた。解析の対象となった被災者数は17万328人。糖尿病の管理状態や人口統計学的特性、社会経済学的特性を一致させた患者群を比較対照とし、被災から10年後までの死亡リスクを検討した。

 解析の結果、ハリケーンから1ヵ月以内の高齢糖尿病患者の全死亡リスクは、約40%高いことがわかった。特に心疾患と腎炎による死亡が増加していた。また被災患者の中で、居住していた郡から他の郡へ避難した高齢患者の全死亡リスクが高く、避難先もまた被災地域であった場合にはリスク増加がより顕著だった。

 さらに、死亡リスクの差は10年後に6%未満へ低下したものの、影響は長期に及んでいることが確認された。著者らは「この研究結果は災害への迅速な対応の重要性を明らかにすると同時に、災害がもたらす長期的な影響をも示している」と述べている。

[HealthDay News 2019年9月24日]

関連情報

Copyright ©2019 HealthDay. All rights reserved.
[Terahata]

関連ニュース

2019年12月20日
2型糖尿病治療剤「Imeglimin」の日本での第3相「TIMES 2」試験の速報 ミトコンドリア機能を改善
2019年12月19日
腕時計サイズの小型のウェアラブル血圧計を発売 手首で血圧測定 医療機器認証を取得
2019年12月13日
2型糖尿病の標準的な食事療法で「25kcal/kg/日」は妥当か 患者の80%が安静時代謝量に達していないという結果に
2019年12月12日
「メトホルミン」から発がん物質を検出? 厚労省や糖尿病学会は「服用を中止しないで」と注意喚起
2019年12月12日
2型糖尿病女性の低用量アスピリン療法に認知症予防効果 認知症リスクが42%低下 男性では差はなし
2019年12月11日
糖尿病の食事療法に「個別化」が求められる 食を楽しみながら食事を継続 第18回病態栄養セミナー・レポート
2019年12月05日
2型糖尿病治療剤「ザファテック錠 25mg」を発売 高度腎機能障害患者・末期腎不全患者にも投与可能
2019年12月05日
AI(人工知能)による糖尿病性腎症の自動判断ツールを開発 蛍光画像から100%の正解率で診断
2019年12月05日
連続血糖測定(CGM)のアラーム設定値が血糖コントロールに影響 最適設定は75mg/dLと170mg/dL
2019年11月29日
咀嚼が食後血糖値を下げる効果は朝と夜で異なる 朝に咀嚼回数を増やすと最も効果的 インスリン初期分泌を促進

関連コンテンツ

編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶