世界の2型糖尿病の新規発症率が低下傾向 予防戦略が功を奏しつつある?

世界の2型糖尿病の新規発症率が低下傾向
 糖尿病患者が世界中で増加していることがしばしば報道されるが、糖尿病の新規発症者数の増加には歯止めがかかり始めた可能性が報告された。ベイカー心臓・糖尿病研究所(オーストラリア)のDianna J. Magliano氏らによるこの研究の詳細は、「British Medical Journal(BMJ)」9月11日オンライン版に掲載された。

 研究グループは、1980年から2017年までに発表された糖尿病罹患率の推移について報告している論文のシステマティックレビューを実施。性・民族別に集計された121件のデータを含む47件の論文を解析した。

 調査が行われた年代別に2型糖尿病罹患率の推移を見ると、1960~1989年には調査対象となった22集団の36%(8/22)が罹患率の増加傾向を示し、55%(12/22)が不変、9%(2/22)が減少傾向を示していた。続く1990~2005年は50集団の66%(33/50)が増加傾向、32%(16/50)が不変、2%(1/50)が減少傾向を報告。さらに直近の2006~2014年は13集団の33%(11/33)が増加、30%(10/33)が不変で、36%(12/33)は減少傾向を示していた。

 2型糖尿病の罹患率が低下してきた理由としてMagliano氏は、「予防戦略と公衆衛生教育、啓発キャンペーンが、2000年代半ば以降に功を奏しつつあると推測される」と述べている。予防戦略の成功例として、砂糖入り飲料や脂肪摂取量の減少が、米国やノルウェー、オーストラリア、韓国などで見られ始めていることを挙げている。

 今回の報告は、糖尿病の有病率が増加し続けていることを強調してきたこれまでの報告と対照的な内容。この点について著者らは、「有病率は糖尿病患者の生命予後が改善することでも増加し得る」とし、糖尿病のような非感染性疾患の実態を把握するには有病率だけでなく、一定期間の新規発症率を表す罹患率の検討も重要であることを指摘している。

 なお、糖尿病有病率の大幅な増加が報告されている太平洋諸島や中東、南アジアなどに関しては、新規発症状況を把握できるデータがなく、著者らは、それらの地域では依然として罹患率の増加も続いている可能性を指摘している。

[HealthDay News 2019年9月12日]

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[Terahata]

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