FDAが初の経鼻グルカゴン製剤を承認 重症低血糖治療の新たな選択肢

 米食品医薬品局(FDA)は7月24日、重症低血糖の緊急治療に使用するグルカゴンとしては初の非注射製剤となる経鼻グルカゴン「Baqsimi」を承認した。適応は4歳以上の糖尿病患者の重症低血糖。ディスポーザブルのディスペンサーを用いてグルカゴン含有粉末を鼻腔内に定量(3mg)噴霧する。

 今回の承認は、計3件(成人対象2件、小児対象1件)の臨床研究の結果に基づくもの。これらの研究ではいずれもBaqsimiの単回投与とグルカゴン注射の単回投与が比較検討され、インスリン誘発性低血糖からの回復においてBaqsimiはグルカゴン筋肉注射に非劣勢であると結論された。

 成人患者70人を対象とした最初の研究では、Baqsimi群は平均11.6分、注射群は9.9分で、ともに100%の患者が重症低血糖からの回復に成功した。2番目の研究は83人の成人患者を対象に行われ、Baqsimi群では98.8%の患者が平均15.9分、注射群では100%の患者が平均12.1分で、回復に成功した。4歳以上の1型糖尿病患者48人を対象に行われた研究では、両群とも薬剤投与後20分以内に最低血糖値から20 mg/dL以上の血糖上昇が示された。

 同薬の禁忌は、褐色細胞腫、インスリノーマ、グルカゴンおよび同薬添加成分に対する過敏症の既往のある患者。主な副作用は、嘔気・嘔吐、頭痛、上気道過敏、涙目、眼充血、搔痒など、グルカゴン注射製剤でみられる諸症状と類似しているが、鼻と眼関連の症状が加わっている。なお、副腎機能不全や長期間絶食状態にある患者、慢性的な低血糖状態にある患者では、肝臓のブドウ糖産生低下により低血糖が遷延する可能性があるため注意が必要。

 同薬は米イーライリリー社から1ヵ月以内に発売される予定。

[HealthDay News 2019年7月25日]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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