SGLT2阻害薬使用で血糖値が正常でも糖尿病性ケトアシドーシスを発症

血糖値が正常でもSGLT2阻害薬使用で周術期患者にDKAが発症
 血糖値が正常または正常に近い値を示す糖尿病患者においても、術後にSGLT2阻害薬の服用により糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)が起こり得ることが、クイーン・エリザベス病院(オーストラリア)のVenkatesan Thiruvenkatarajan氏らの研究により示された。研究結果は「British Journal of Anaesthesia」7月号に掲載された。

 研究では、論文データベースを用いて包括的な文献検索を実施。2019年1月までに発表された、周術期患者におけるSGLT2阻害薬の有害事象としてDKAを報告している研究を抽出し、SGLT2阻害薬の使用に関連して発症したDKAの臨床症状と特徴を調べた。

 その結果、33の文献から47例のDKA事例が確認され、うち42例は正常血糖糖尿病性ケトアシドーシス(eDKA)の基準を満たすものであった。SGLT2阻害薬は、カナグリフロジンが26例で、ダパグリフロジンおよびエンパグリフロジンがそれぞれ10例で用いられていた。DKAの症状が現れるまでの時間は、手術後数時間から6週間までと幅があった。

 また、47例中27例(57%)ではDKAの誘因として、食事療法の変更、糖尿病治療薬の変更、併発疾患などが挙げられていた。減量手術に関連した13例のうち10例では、超低カロリー食療法が誘因とされていた。一方、SGLT2阻害薬の中断とDKA発症との関連は示されなかった。7人の患者が人工呼吸器を必要とし、6人が急性腎障害を発症したが、転帰に関するデータを得られた32例については、全患者が完治していた。

 これらの研究結果を受けThiruvenkatarajan氏は、「eDKAは1型および2型糖尿病患者の双方に起こり得ることが分かった。ケトン体の緩徐な蓄積、腹痛や嘔吐といった症状は周術期に見られる症状と似ているため、酸負荷試験で評価しない限り、医師がこの合併症を見逃してしまう可能性がある。しかし、この状態を治療せずに放っておくと、術後にほかの疾患や手術に関連する問題を疑って不要な検査を実施することになりかねない」と話している。

[HealthDay News 2019年7月24日]

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