2017年度の生活習慣病の医療費 糖尿病が第1位に レセプト3億8,000万件を分析

2019.07.30
 健康保険組合連合会(けんぽれん)の2017年度のレセプト3億7,908万5,541件を対象にした生活習慣病の医療費分析で、入院外では糖尿病が医療費の第1位になった。

医科入院外で糖尿病(29%)が第1位

 健康保険組合連合会(けんぽれん)は、2017年度「生活習慣関連10疾患の動向に関する調査」を公表した。1280組合におけるレセプト3億7,908万5,541件を対象に、生活習慣病10疾患(糖尿病、脳血管障害、虚血性心疾患、動脈閉塞、高血圧症、高尿酸血症、高脂血症、肝機能障害、高血圧性腎臓障害、人工透析)の医療費について分析を行った。

 健康保険組合連合会(健保連)は、データにもとづく保健事業「データヘルス」に積極的に取り組んでおり、さまざまな角度からレセプト(医療報酬明細書)を分析している。

 それによると、2017年度の1,280組合の総医療費(医科+調剤)が約3兆4,827億円で、うち生活習慣関連10疾患医療費は約4,554億円で、全体の13.1%を占めている。診療区分別にみると、「医科入院」が591億円(13.0%)、「医科入院外」が3,964億円(87.0%)と、「医科入院外」が9割を占める。
 生活習慣関連10疾患の医療費構成の割合は、医科入院では、(1)脳血管障害(34.0%)がもっとも高く、次いで(2)虚血性心疾患(31.7%)、(3)糖尿病(12.6%)と続く。

 医科入院外では、(1)糖尿病(29.1%)がもっとも高く、次いで(2)高血圧症(29.0%)、(3)高脂血症(18.3%)と続く。年齢階層別に医療費をみると、55~59歳がもっとも高く、次いで、50~54歳、60~64歳の順となっている。
 年齢階層別に医療費構成割合をみると、40~64歳では、(1)高血圧症:30.3%がもっとも高く、次いで(2)糖尿病:29.3%、(3)高脂血症:17.5%となっている。

 1人当たり医療費を見てみると、本人では▼高血圧症:5,776円(前年度に比べて219円減)▼糖尿病:5,750円(同323円増)▼高脂血症:3,380円(同38円増)▼人工透析:2,860円(同78円増)―の順で医療費が高くなる。
健康保険組合連合会(健保連)

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