医師からの共感を経験した2型糖尿病患者の臨床転帰が改善 英研究

 2型糖尿病の診断後1年以内に医師からの共感を経験した患者には、心血管疾患(CVD)イベントの減少や全死亡率の低下など、長期にわたるベネフィットがもたらされる可能性があることが、英ケンブリッジ大学のHajira Dambha-Miller氏らの研究により示された。詳細は「Annals of Family Medicine」7/8月号に掲載された。

 Dambha-Miller氏らは、スクリーニング検査で2型糖尿病と診断された患者867人を対象に、平均追跡期間が10年間にわたる住民ベースの前向きコホート研究を実施。患者は診断の12カ月後に、医師からの共感および過去12カ月間の診療経験ついて、CARE measureを用いて評価した。CARE measureは診療で感じた医師からの共感について患者が評価する質問紙で、10項目の質問から成り立っている。

 その結果、CARE measureに全て回答した患者628人のうち、120人(19%)が心血管疾患(CVD)イベントを発症し、132人(21%)が追跡期間中に死亡した。CARE measureにより得られたスコアを3群に分けて解析した結果、第1三分位群と比較して、第3三分位群は、CVDイベント発症の低下と関連することが分かった。ただし、この結果に統計学的有意差は認められなかった。また、全死亡率も、第1三分位群に比べ、第2三分位群(ハザード比0.49、95%信頼区間0.27〜0.88、P=0.01)および第3三分位群(同0.60、0.35〜1.04、P=0.05)で低下が認められた。

 研究者たちは「研究結果は、医療における医師の共感的態度の重要性を強調するものだ」と述べ、生物学的特徴にのみ基づく個別化医療とは違った形での個別化も必要だとしている。また、「今回の研究により、より共感的で個別化した医療を予防対策に組み込んでいくことに対する理論的根拠がいくらかもたらされた」と結論づけている。

[HealthDay News 2019年7月15日]

関連情報

Copyright ©2019 HealthDay. All rights reserved.
[Terahata]

関連ニュース

2019年12月20日
2型糖尿病治療剤「Imeglimin」の日本での第3相「TIMES 2」試験の速報 ミトコンドリア機能を改善
2019年12月19日
腕時計サイズの小型のウェアラブル血圧計を発売 手首で血圧測定 医療機器認証を取得
2019年12月13日
2型糖尿病の標準的な食事療法で「25kcal/kg/日」は妥当か 患者の80%が安静時代謝量に達していないという結果に
2019年12月12日
「メトホルミン」から発がん物質を検出? 厚労省や糖尿病学会は「服用を中止しないで」と注意喚起
2019年12月12日
2型糖尿病女性の低用量アスピリン療法に認知症予防効果 認知症リスクが42%低下 男性では差はなし
2019年12月11日
糖尿病の食事療法に「個別化」が求められる 食を楽しみながら食事を継続 第18回病態栄養セミナー・レポート
2019年12月05日
2型糖尿病治療剤「ザファテック錠 25mg」を発売 高度腎機能障害患者・末期腎不全患者にも投与可能
2019年12月05日
AI(人工知能)による糖尿病性腎症の自動判断ツールを開発 蛍光画像から100%の正解率で診断
2019年12月05日
連続血糖測定(CGM)のアラーム設定値が血糖コントロールに影響 最適設定は75mg/dLと170mg/dL
2019年11月29日
咀嚼が食後血糖値を下げる効果は朝と夜で異なる 朝に咀嚼回数を増やすと最も効果的 インスリン初期分泌を促進

関連コンテンツ

編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶