スタチン療法で糖尿病の新規発症リスクが上昇か

 スタチン療法による糖尿病の新規発症の増加は用量依存性であり、スタチンの投与期間が長いほど発症リスクが上昇する可能性を示唆する研究が、「Diabetes Metabolism Research and Reviews」5月24日オンライン版に掲載された。

 コレステロール降下薬であるスタチンは、米国では最も広く処方されている薬剤のひとつであるが、糖尿病の新規発症との関連が懸念されている。そこで、米オハイオ州立大学のVictoria A. Zigmont氏らは、スタチン投与の適応症がある患者7,064人の診療録を用いて後ろ向きコホート研究を実施。スタチンの使用と血糖異常および糖尿病新規発症のリスクとの関連を調べた。研究の対象となったのは、ベースライン時にスタチンの使用を開始していなかった、心疾患リスクを有する患者で、うち755人が2011~2014年の研究期間中にスタチンを処方されていた。

 分析の結果、糖尿病のないスタチン使用者は、スタチン非使用者に比べ、HbA1c値が高値である確率が6.5%高いことが分かった。また、糖尿病の新規発症リスクもスタチン非使用者に比べスタチン使用者で高く(調整ハザード比2.20、95%信頼区間1.35~3.58、P=0.002)、最も高くなるのは2年以上スタチンを使用している人で(調整ハザード比3.33、95%信頼区間1.84~6.01、P<0.001)、スタチンの種類または服用量による差は認められないことも明らかになった。

 この結果を受けZigmont氏らは、「スタチンが心血管イベントの発症や死亡のリスクを低下させることは明らかだが、その一方で糖尿病の新規発症や血糖異常のリスクを上昇させる可能性があることが分かった。より大規模なコホートや診療録データベースを対象に研究を行い、スタチン使用と血糖コントロールとの関連を探っていくべきだ」と結論付けている。

[HealthDay News 2019年6月24日]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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