HbA1c基準では糖尿病の過小診断につながる可能性

 HbA1c基準では糖尿病は過小診断され、正常耐糖能(NGT)は過剰診断される可能性があることが、米シティ・オブ・ホープ国立医療センターのMaria Mercedes Chang Villacreses氏らが実施した研究で示された。研究の詳細は、米国内分泌学会(ENDO 2019、3月23~26日、米ニューオーリンズ)で発表された。

 Chang Villacreses氏らは今回、米国国民健康栄養調査(NHANES)から2005~2014年のデータを用いて、成人9,000人を対象にHbA1c、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)により定義された耐糖能を比較した。HbA1c基準による糖尿病およびNGTの診断の感度と特異度は、OGTT基準を参照として評価した。

 その結果、HbA1c基準とOGTT基準により定義された耐糖能の分布には有意な差が認められた。HbA1c基準による糖尿病診断の感度と特異度は、OGTT基準を参照値とするとそれぞれ26.93%、99.39%であり、OGTTで定義された糖尿病の73.07%を見逃していたことが分かった。一方、HbA1c基準によるNGT診断の感度と特異度はそれぞれ84.91%、43.53%であり、OGTT基準で定義されたNGTの15.09%に誤診が見られた。

 これらの結果を踏まえ、Chang Villacreses氏らは「今回の研究結果では、HbA1c基準のみで診断された糖尿病とNGTの有病率は信頼性が低く、糖尿病の過小診断とNGTの過剰診断につながる可能性があることが示された」と述べている。

[HealthDay News 2019年3月25日]

関連情報

Copyright ©2019 HealthDay. All rights reserved.
[Terahata]

関連ニュース

2019年04月11日
1型糖尿病の根治療法「バイオ人工膵島移植」も視野に 日本で「動物性集合胚」研究の規制が大幅に緩和 京都大学iPS細胞研究所など
2019年04月11日
ジャディアンスとDPP-4阻害薬を比較したリアルワールド研究「EMPRISE」 入院リスクの低下および入院期間の短縮と相関
2019年04月11日
2型糖尿病治療剤「Imeglimin」の第3相試験で良好な解析結果 ミトコンドリア機能を改善する新たな機序の新薬
2019年04月11日
SGLT2阻害薬「フォシーガ」 2型糖尿病治療における心血管アウトカムへの影響を示すDECLARE-TIMI 58試験のサブ解析
2019年04月11日
HbA1c基準では糖尿病の過小診断につながる可能性
2019年04月08日
「1型糖尿病を根絶するための研究」を支援 日本IDDMネットワーク
2019年04月04日
「糖尿病標準診療マニュアル」第15版(一般診療所・クリニック向け)を公開 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会
2019年04月04日
受動喫煙がCKDの発症を増やす 週に3日未満でもリスクは1.44倍に上昇
2019年04月04日
腎機能障害が2型糖尿病リスクを上昇させる 腎疾患と糖尿病の相互関係を解明
2019年04月04日
1回の採血で10年以内のがん・脳卒中・心筋梗塞の発症リスクを評価できる 血中のアミノ酸バランスを解析する「アミノインデックス」

関連コンテンツ

編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶