性腺機能低下症へのテストステロン療法は2型糖尿病予防に有用か

 性腺機能低下症を有する糖尿病前症の男性では、テストステロン療法が2型糖尿病の予防に有用な可能性があることが、ドイツで行われた観察研究で示された。研究の詳細は「Diabetes Care」3月12日オンライン版に掲載された。

 泌尿器・アンドロロジー研究所(ドイツ)のAksam Yassin氏らは、性腺機能低下症(総テストステロン値が12.1nmol/L以下)を有する糖尿病前症(HbA1c値5.7~6.4%)の男性316人を対象に8年間追跡し、テストステロン療法により2型糖尿病への進展を予防できるか否かについて検討した。対象者のうち229人は非経口テストステロン療法(testosterone undecanoate)を受けており、87人は未治療(対照群)であった。

 その結果、HbA1c値は、テストステロン療法群では0.39±0.03%有意に低下したのに対し、対照群では0.63±0.1%有意に増加したことが分かった(いずれもP<0.0001)。また、テストステロン療法群の90%はHbA1c値が5.7%未満の正常値を達成していた。一方、対照群では40.2%が2型糖尿病(HbA1c値6.5%超と定義)を発症した。

 さらに、テストステロン療法群では、空腹時血糖値、トリグリセライド(TG)/HDL-C比、TG-グルコース指数、脂肪蓄積量、総コレステロールとLDL-C、HDL-C、non-HDL-C、TGの各値および男性更年期質問票であるaging males' symptoms(AMS)スコアが有意に改善したが、対照群ではいずれも悪化が認められた。

 これらの結果を踏まえ、Yassin氏らは「性腺機能低下症を伴う糖尿病前症の男性は急速に増加しており、テストステロン療法は、こうした集団における糖尿病予防に有効な可能性がある。この結果については、今後さらなる研究で検証していく必要がある」と述べている。

 なお、数名の論文著者は、研究に資金を提供したバイエル社との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

[HealthDay News 2019年3月15日]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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