2型糖尿病患者「冬に数値が悪化」 HbA1cなどは季節変動している JDDMデータベースを解析

 2型糖尿病患者のHbA1c、血圧、LDLコレステロールは季節変動し、冬場にコントロールが悪化する傾向があるとの研究結果を、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の坂本昌也氏らが発表した。
糖尿病の管理目標値の達成率は夏に向上、冬に低下する
 HbA1c、血圧、LDLコレステロールの糖尿病の治療目標の達成率は、夏にピークを迎え、秋から冬にかけて低下し、春にまた好転する傾向があることが、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の坂本昌也氏らの研究で明らかになった。研究は、糖尿病データマネージメント研究会(JDDM)のデータベースを用いて解析したもので、「Diabetes Care」に掲載された。

 研究では、全国の診療所からJDDMに登録された2型糖尿病患者10万4601例のデータから、2013~14年の24ヵ月に12回以上通院し、HbA1c、血圧値、LDLコレステロール値が測定されていた20~75歳の2型糖尿病患者4,678例を抽出。HbA1c7%未満、血圧130/80mmHg未満、LDLコレステロール100mg/dL未満の目標達成率を調査した。米国糖尿病学会(ADA)は「A(HbA1c)」「B(blood pressure)」「C(cholesterol)」を目標範囲に保つことを治療の一次的目標としている。

 その結果、ABCの管理目標の達成率は冬(12~2月)は夏(6~8月)より下がることが明らかになった。ABCのすべて設定していたのは、夏は15.6%、冬は9.6%だった。HbA1cの目標達成率は、夏が53.1%だったのに対し冬が48.9%。血圧は夏の56.6%に対し冬は40.9%、脂質も夏の50.8%に対し冬は47.2%となり、冬は夏より達成率が低かった。

 多変量ロジスティック解析では、冬場のHbA1cの目標達成率低下には、BMI25以上の肥満(BMI25~30 オッズ比0.45、BMI30以上 同0.35)。10年以上の罹病期間(同0.53)が関連していた。年齢が65歳以上であること(同0.47)は独立して、収縮期血圧(SPB)の上昇と関連していた。また、インスリンおよびSU薬の使用は季節にかかわらず、全ての目標の達成(ABC達成)率の低下に独立して関連していた。

 血糖や血圧、脂質のコントロール不良は動脈硬化性疾患を進行させ、脳梗塞や心不全などのリスクを高める。今回の研究は月単位でABCのすべての数値の変動を追ったもので、季節変動リスクがどういった条件で高く、どのような介入を行うべきかを示唆するものだ。

 「HbA1cだけでなく血圧、脂質も季節変動していることが分かった。2型糖尿病の治療では、ABCのすべての達成率に季節変動があることを考慮する必要がある。リスクが高い患者層では、冬に向けた管理強化を行うことが重要。医療者には治療強化、患者には生活習慣の改善が求められる」と、研究者は述べている。

糖尿病データマネージメント研究会(JDDM)
Seasonal Variations in the Achievement of Guideline Targets for HbA1c, Blood Pressure, and Cholesterol Among Patients With Type 2 Diabetes: A Nationwide Population-Based Study (ABC Study JDDM49)(Diabetes Care 2019年2月15日)
[Terahata]

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編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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