糖尿病網膜症の予防にスタチン治療が有用か 2型糖尿病と脂質異常症を合併した患者を対象に分析

 2型糖尿病と脂質異常症を合併した患者では、スタチン治療により糖尿病網膜症の発症リスクが低下する可能性があることが、Chang Gung紀念医院(台湾)のEugene Yu-Chuan Kang氏らが実施したコホート研究で示された。研究の詳細は「JAMA Ophthalmology」1月10日オンライン版に掲載された。

 Kang氏らは、1998~2013年に、2型糖尿病と脂質異常症を合併した患者を対象に、スタチン治療と糖尿病網膜症の発症との関連を調べるコホート研究を実施した。対象は、登録基準を満たした21万9,359人(うち19万9,760人がスタチンを服用)のうち、傾向スコアを一致させたスタチン服用群および非服用群の計3万7,894人(各群1万8,947人)。平均追跡期間はそれぞれ7.6年と7.3年であった。

 その結果、糖尿病網膜症の発症率は、スタチン服用群の12.0%に対し、非服用群では10.6%であることが分かった。スタチン非服用群と比べて、服用群では糖尿病網膜症(ハザード比0.86)、非増殖糖尿病網膜症(同0.92)、増殖糖尿病網膜症(同0.64)、硝子体出血(同0.62)、牽引性網膜剥離(同0.61)および黄斑浮腫(同0.60)の発症率が有意に低かった。また、スタチン服用群では、網膜レーザー治療(同0.71)、硝子体内注射(同0.74)および硝子体手術(同0.58)といった治療介入の実施率が低く、施行回数も少なかった(率比はそれぞれ0.61、0.68および0.54)。

 さらに、スタチン治療は、主要な有害心血管イベント(ハザード比0.81)、糖尿病性神経障害および糖尿病性足潰瘍の新規発症(同それぞれ0.85、0.73)のリスク低下とも関連していた。

 以上の結果を踏まえて、Kang氏らは「2型糖尿病と脂質異常症を合併した台湾人の患者では、スタチン治療は糖尿病網膜症の予防や進行抑制に有用な可能性が示唆された」と述べている。

[HealthDay News 2019年1月11日]

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