血圧と脂質の強化管理で2型糖尿病患者の腎イベントリスク上昇

ACCORD試験データを解析

 心血管疾患リスクが高い2型糖尿病患者に対する強化降圧療法とフェノフィブラート投与は、有害な腎イベントの発症リスクを上昇させる可能性があることが、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校のAmy K. Mottl氏らの検討で分かった。研究の詳細は米国腎臓学会・腎臓週間2018(10月23~28日、米サンディエゴ)で発表され、論文が「Clinical Journal of the American Society of Nephrology」10月25日オンライン版に同時掲載された。

 この研究は、心血管疾患リスクが高い2型糖尿病患者1万251人を対象とした多因子介入試験であるACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)試験(追跡期間3.7年)とその後6.5年間追跡したACCORDION試験のデータを事後解析したもの。血糖(HbA1c値6%未満)、血圧(収縮期血圧120mmHg未満)および脂質の強化管理による腎イベントへの長期的な影響について調べた。

 追跡期間中に、主要複合評価項目として顕性アルブミン尿は988人、血清クレアチニン倍増は954人、透析導入は351人にみられ、1,905人の死亡が確認された。解析の結果、標準治療群と比べて強化血糖管理群では主要複合評価項目の発生リスクは8%低かったが(ハザード比0.92)、強化血圧管理群またはフェノフィブラート投与群ではともに1.16倍(いずれもハザード比)であった。

 腎転帰による死亡リスクを考慮した二次解析では、強化血糖管理群では顕性アルブミン尿のみが有意にリスクが抑制されていた(ハザード比0.68)。一方、血圧または脂質の強化管理群で影響がみられたのは血清クレアチニン倍増のみであった(ハザード比はそれぞれ1.64、2)。

 以上の結果を踏まえ、Mottl氏らは「心血管疾患リスクが高い2型糖尿病患者において、強化血糖管理は顕性アルブミン尿の長期的な低減をもたらす可能性があるが、強化血圧管理とフェノフィブラート投与による強化脂質管理は有害腎イベントのリスクを上昇させる恐れがある」と結論づけている。

 付随論評の著者らによれば、血清クレアチニン倍増は腎臓への有害な影響を示唆するものではなく、入手し得たクレアチニン測定値が少ないことによる限界に起因する可能性が高いという。著者らは「今回の結果は末期腎不全(ESKD)に対して強化血糖管理は有効であることを示唆しているが、ESKD評価項目データの信頼区間の幅が広いことを踏まえると、強化血圧管理とフェノフィブラート投与の有効性について結論は出せない」と述べている。なお、数名の著者は製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。

[HealthDay News 2018年11月1日]

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