慢性腎臓病に伴う貧血患者を対象とした「ダプロデュスタット」の第3相試験の結果

2018.11.16
 グラクソ・スミスクライン(GSK)は、低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素の経口阻害薬である「ダプロデュスタット」について、慢性腎臓病(CKD)に伴う貧血の治療薬の候補として日本人患者を対象に評価した、無作為化、二重盲検、実薬対照、第3相試験の結果を発表した。

CKDに伴う貧血患者対象のP3試験結果を発表

 「ダプロデュスタット」は、低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素の経口の阻害薬。酸素を検知するプロリン水酸化酵素を阻害することで低酸素誘導因子を安定化し、高地で身体に生じる生理学的作用と同様に、赤血球産生や鉄代謝に関与するエリスロポエチンおよびその他の遺伝子の転写をもたらす。

 271例の血液透析患者を対象とした52週間の試験の結果、「ダプロデュスタット」経口薬は、投与40~52週において測定した平均ヘモグロビン濃度について、静注用のダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)製剤に対する非劣性を示し、主要評価項目を達成した。

 安全性プロファイルは、「ダプロデュスタット」に関する過去の臨床試験、および治療群全体で認められたものと一致していた。治験薬の投与中に1件以上の有害事象がみられた患者の割合は、「ダプロデュスタット」群で93%、対照群で97%だった。治療群全体でもっともよくみられた有害事象は、上咽頭炎(「ダプロデュスタット」群で42%、対照群で54%)、胃腸系事象(「ダプロデュスタット」群で46%、対照群で46%)およびシャント狭窄(「ダプロデュスタット」群で14%、対照群で15%)だった。

 「貧血は慢性腎臓病の患者さんでよく見られるものであり、脱力や疲労などの症状を引き起こします。本試験から得られた有望なデータは、これらの患者さんにとって治療選択肢となる可能性を有する経口薬として、ダプロデュスタットの開発を進める上で重要な一歩となります」と、GSKのHal Barron氏は言う。

 同試験の結果は、2019年に予定している承認申請の裏付けとするために日本で実施されている進行中の第3相プログラムの一部。保存期患者を対象とした最後の国内試験の結果は2019年の上半期を予定している。

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