1型糖尿病のポテンシャル 連載「インスリンとの歩き方」

2018.10.10

1型糖尿病患者の遠藤伸司さんによる連載「インスリンとの歩き方」では、第26回「1型糖尿病のポテンシャル」を公開しました。連載「インスリンとの歩き方」へ ▶

連載「インスリンとの歩き方」

 執筆者の遠藤さんは、中学生の頃に1型糖尿病を発症。以来、約30年間の療養生活の中で、留学や進学、就職、そして転職、プライベートまで幅広い経験を積み、なにかと無理をすることもあったようです。

 連載では、そんな遠藤さんの半生を、糖尿病と上手につきあうためのコツやノウハウを中心に、実体験のエピソードを交えて語っていただきます。1型糖尿病患者さんをはじめ、2型糖尿病患者さん、糖尿病医療に携わる方々は、ぜひご一読ください。

インスリンとの歩き方/執筆者プロフィールへ ▶

第26回 1型糖尿病のポテンシャル(本文より)

 今年の夏ほどではなかったが、2002年の8月も35度を超す日が続出した暑い夏だった。僕は外車のセールスの仕事をして、6年目になっていた。そして、いよいよ僕の会社の決算期である9月に突入した。

 うちの会社では、9月が1年間のセールスの締めくくりであり、第一回目の勝負の月だった。だから僕は9月は休日をとることなく、30日間全て遮二無二働き続けた。会社から休めと言われても、休んでトップセールスになれる千載一遇のチャンスを逃すのは、インスリンを打たずに1型糖尿病が悪化することと同じくらい後悔するに違いなかった。

 だから、車で移動しているときは、携帯の電話帳の「あ行」のお客さんから一件ずつ順に電話をし、ショールームでの勤務時間にも、あらゆる顧客に電話をしまくった。車が売れそうな脈が少しでもあれば、すぐにお客さんの家を訪問した。たとえ、商談が深夜1時まで及ぶことがあっても、僕は張り切って対応した。

僕の車の売り方

 僕はお客様から親近感を持ってもらうために、会話の中では、たえず相手の名前を呼ぶよう心がけていた。

 例えば、ショールームにいらっしゃったお客様に対して、ただ
「いらっしゃいませ」というのではなく、
「木村さま、いらっしゃいませ。何かお困りのことなどございましたでしょうか?」と声がけしたりした。

 また、電話を頂いたお客様に対しては、
「お電話有難うございます。細谷さま、何か、問題でもありましたか?」とこんな風に対応をした。

 ところが、テレビ局に就職した友人がショールームに来た時まで、この癖がでてしまい、
「遠藤ってさあ、何度も俺の名前を呼ぶよね、いったい、どうしたの?」

 名前を呼ばれて悪い気がする顧客がいるはずないだろう。そして、これもお客さんとの心の距離を縮める一つの方法なんだ。そして最後に車を売ることに繋げるんだ。そう説明して、この友人は少し納得してくれた。

続きはこちら...
第26回 1型糖尿病のポテンシャル ▶

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 糖尿病の各薬剤を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 血糖推移をみる際のポイント!~薬剤選択にどう生かすか~
妊婦の糖代謝異常(妊娠糖尿病を含む)の診断と治療 糖尿病を有する女性の計画妊娠と妊娠・分娩・授乳期の注意点 下垂体機能低下症、橋本病、バセドウ病を有する女性の妊娠・不妊治療
インスリン・GLP-1受容体作動薬配合注 GIP/GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド) CGMデータを活用したインスリン治療の最適化 1型糖尿病のインスリン治療 2型糖尿病のインスリン治療 最新インスリン注入デバイス(インスリンポンプなど)
肥満症治療薬としてのGLP-1受容体作動薬 肥満症患者の心理とスティグマ 肥満2型糖尿病を含めた代謝性疾患 肥満症治療の今後の展開
2型糖尿病の第1選択薬 肥満のある2型糖尿病の経口薬 高齢2型糖尿病の経口薬 心血管疾患のある2型糖尿病の経口薬

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料