75歳以上の高齢者に一次予防のスタチン使用は有効か? [HealthDay News]

予防効果は2型糖尿病のある75~84歳に限定的

 75歳以上の高齢者に対するスタチンの一次予防効果については、2型糖尿病のない高齢者では心血管疾患(CVD)や全死亡のリスクに低下はみられず、その予防効果は75歳以上84歳以下の2型糖尿病患者に限られるとの研究結果が、「The BMJ」9月5日オンライン版に掲載された。

 Institut Universitari d'Investigació en Atenció Primària Jordi Gol(スペイン)のRafel Ramos氏らは、アテローム性動脈硬化によるCVDの存在が臨床的に確認されていない75歳以上の高齢者4万6,864人(平均年齢77歳、女性63%)を対象に後ろ向きコホート研究を実施。中央値で7.7年間追跡した。対象者を2型糖尿病とスタチン使用の有無で層別化した上で、動脈硬化性CVDの発症および全死亡との関係を解析した。対象者のうち7,502人(16.0%)は新たにスタチン治療を開始していた。また、対象には7,880人(16.8%)の2型糖尿病患者が含まれていた。

 解析の結果、2型糖尿病のない高齢者では、スタチン使用によるCVDおよび全死亡のハザード比は、75~84歳ではそれぞれ0.94(95%信頼区間0.86~1.04)、0.98(同0.91~1.05)、85歳以上では0.93(同0.82~1.06)、0.97(同0.90~1.05)といずれも有意なリスク低下は認められなかった。

 一方、2型糖尿病のある75~84歳では、スタチン使用によるCVDおよび全死亡のハザード比はそれぞれ0.76(同0.65~0.89)、0.84(同0.75~0.94)といずれもリスクは有意に低下していた。ただ、2型糖尿病であっても85歳以上になるとハザード比はそれぞれ0.82(同0.53~1.26)および1.05(同0.86~1.28)といずれも有意なリスク低下は認められなかった。

 以上の結果を踏まえて、Ramos氏らは「75歳以上の高齢者に対する一次予防を目的とした広範なスタチン使用は支持されないが、75歳以上84歳以下の2型糖尿病患者では一次予防効果が期待できるとする結果が得られた」と述べている。

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[Terahata]

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