妊娠中の甲状腺機能障害が妊娠糖尿病リスクと関連か

妊娠中の甲状腺機能障害が妊娠糖尿病リスクと関連か

 妊娠中に甲状腺ホルモンのFT3(遊離トリヨードサイロニン)値またはFT3/FT4(遊離サイロキシン)比が高いことは、妊娠糖尿病(GDM)の発症リスク上昇と関連する一方で、FT4やTSH(甲状腺刺激ホルモン)の値はGDMリスクと関連しない可能性を示す研究結果が、「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」7月1日号に掲載された。

 米国立衛生研究所(NIH)のShristi Rawal氏らは、米国内12施設の多人種の妊婦を対象としたコホート研究に参加した妊婦2,802人のうち、GDMを発症した妊婦107人と発症していない妊婦214人を対象に、甲状腺ホルモンの値とGDMリスクの関連を調べる症例対照研究を実施した。この研究では、妊娠第1三半期(妊娠10~14週)と第2三半期(妊娠15~26週)を含む計4回の来院時に甲状腺ホルモン値(FT3、FT4およびTSH)を測定し、FT3/FT4比を記録していた。なお、妊娠糖尿病の発症は診療記録から判定した。

 解析の結果、FT3値とFT3/FT4比はGDMリスクと正の関連を示すことが明らかになった。FT3値については、最高四分位と最低四分位の比較において、第1三半期の調整オッズ比は4.25(95%信頼区間1.67~10.80)、第2三半期は3.89(同1.50~10.10)であった。同様に、FT3/FT4比については同順に8.63(同2.87~26.00)および13.60(3.97~46.30)であった。一方、TSHやFT4の値とGDMリスクとの間には有意な関連は認められなかった。

 ただし、第2三半期では、一過性の低サイロキシン血症はGDMリスクの上昇と有意に関連していることが分かった(一過性の低サイロキシン血症の妊婦と甲状腺機能が正常な妊婦を比較した調整オッズ比は2.97)。

 以上の結果から、Rawal氏らは「FT3高値は、de novo合成またはFT4からFT3への変換亢進が原因と考えられ、妊娠早期からのGDMリスクの指標となる可能性がある」と述べている。

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[dm-rg.net]
編集部注:
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