「トラゼンタ」が成人2型糖尿病患者で長期的な心血管安全性を示す 「CARMELINA」試験の主要評価項目を達成

2018.07.27
 ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリーは、標準治療に上乗せしたDPP-4阻害薬「トラゼンタ」(一般名:リナグリプチン)の長期心血管の安全性を検証する「CARMELINA」試験について発表した。詳細は、10月4日にドイツのベルリンで開催される第54回欧州糖尿病学会(EASD)年次総会で発表される予定。

心血管リスクの高い成人2型糖尿病患者で心血管安全性が示される

 「CARMELINA」試験では、心血管死、非致死性 心筋梗塞、非致死性脳卒中のいずれかの初回発現までの期間として定義した主要評価項目を達成し、トラゼンタはプラセボと同等の心血管安全性を示した。

 同試験には、心血管リスクの高い成人2型糖尿病患者6,979人が参加し、その患者集団の多くは心血管疾患の重要なリスク因子である腎臓病を有していた。同試験におけるトラゼンタの安全性プロファイルはこれまでのデータと一貫しており、新たな安全性の懸念は確認されなかった。

 糖尿病患者では、心血管疾患および慢性腎臓病のリスクが高まる。治療選択肢の進歩にも関わらず、心血管疾患は依然として糖尿病患者の主な死亡原因であり、慢性腎臓病の症例の約3分の2が糖尿病、肥満および高血圧などに起因している。

 「腎機能に関係なく投与可能であり、用量調節の必要が無いトラゼンタが、心血管リスクの高い成人2型糖尿病患者さんにおいて心血管安全性を示しました。CARMELINA試験は、シンプルに同一用量で、効果的、かつ忍容性の高いトラゼンタにとって重要な知見になります」と、イーライリリー・アンド・カンパニーの糖尿病事業部製品開発部門バイスプレジデントのJeff Emmick氏は述べている。

 「CARMELINA」(CArdiovascular safety and Renal Microvascular outcomE with LINAgliptin in patients with type 2 diabetes at high vascular risk)試験は、27ヵ国、600以上の施設から成人2型糖尿病患者6,979人が参加し、中央値2.2年にわたり観察を行った多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験。対象者の多くは腎臓病を有する心血管リスクの高い成人2型糖尿病患者で、標準治療に上乗せしたトラゼンタ(リナグリプチン)(5mg、1日1回投与)の心血管イベントに対する影響を、プラセボを対照に評価することを目的としている。

 これまでに報告されている2型糖尿病におけるDPP-4阻害薬の他の試験と比較して、「CARMELINA」試験には最多の腎機能障害を有する患者が参加した。標準治療には、血糖降下薬および心血管薬(降圧剤および脂質異常症治療薬など)が含まれていた。

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