SGLT2阻害薬の心血管アウトカムのベネフィットを裏付け アストラゼネカのリアルワールドエビデンス研究「CVD-REAL2」試験

第78回米国糖尿病学会(ADA2018)
 アストラゼネカは、2型糖尿病患者を対象とした大規模リアルワールドエビデンス研究「CVD-REAL2」試験の新たな解析を、第78回米国糖尿病学会(ADA)年次総会で発表した。
全死亡、心不全による入院、心筋梗塞、脳卒中などのリスクが低下
 同解析では、世界12ヵ国(韓国、日本、シンガポール、オーストラリア、アメリカ、カナダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、スペイン、イスラエル、ドイツ)の2型糖尿病患者(36万3,240例、うち約70%が心血管疾患の既往歴なし)における心血管イベントリスクを、「フォシーガ」(一般名:ダパグリフロジン)を含むSGLT2阻害薬の投与を開始した患者群とDPP-4阻害薬(どの薬剤でも可)の投与を開始した患者群とで比較した。

 その結果、SGLT2阻害薬の投与開始群は、DPP-4阻害薬の投与開始群と比較して、全死亡(HR: 0.61; 95%CI: 0.54, 0.69)、心不全による入院(HR: 0.68; 95%CI: 0.60, 0.78)、総死亡と心不全による入院の複合評価項目(HR 0.67; 95%CI 0.60, 0.74)、心筋梗塞(HR: 0.90; 95%CI: 0.81, 0.99)、脳卒中(HR: 0.84; 95%CI: 0.76, 0.93)のリスク低下と相関を示した。なお、SGLT2阻害薬投与群の60.1%が「フォシーガ」を投与していた。

 「フォシーガ」の心血管アウトカム試験(CVOT)である「DECLARE」試験では、心血管イベントに対する「フォシーガ」の安全性・有効性を検証している。DECLARE試験は、複数の心血管リスクファクターを有する患者や、心血管疾患の既往歴がある患者を含む、広範な2型糖尿病患者を対象としている。「DECLARE」試験は2018年後半に結果が公開される予定。

 なお、日本における「フォシーガ」の効能効果は2型糖尿病であり、全死亡や心不全による入院、心筋梗塞、脳卒中のリスクの減少としての効能は取得されていない。

 「CVD-REAL」試験は進行中で今後も解析が継続される。今回の試験のデータは、診療記録、レセプトデータベースおよび国家レジストリなど、匿名化されたリアルワールド情報源から入手され、それら情報源の書面の個別判定あるいは検証はされていない。メタ解析はSt. Luke's Mid America Heart Institute(米国・カンザスシティ)の独立研究機関の統計グループにより検証された。

 「CVD-REAL」試験は、頑健性の高い傾向スコアマッチング手法を用いた大規模試験だが、観察的な試験であるため、測定不能な交絡因子が残されている可能性を完全に除外することはできないという。

フォシーガ(アストラゼネカ)
[Terahata]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶