「血糖トレンドを活用した、自己管理能力を高めるための患者教育」を公開

2018.06.26
糖尿病患者さんの血糖測定では、覚醒中の測定時点のみしかわからなかった従来の血糖自己測定(SMBG)とは異なり、睡眠時も含め連続的に血糖値を把握できる機器が近年登場・普及し、「血糖値の変動の傾向」(以下、血糖トレンド)に関する情報が得られるようになってきたという大きな変化が起きています。
「"血糖トレンド"をどう活用するか」は、医師、看護師、薬剤師等、異なる立場で糖尿病領域において活躍するスペシャリストに、臨床現場における"血糖トレンド"の意義や有用性、実際の活用方法を紹介いただくシリーズです。
シリーズ第2回「血糖トレンドを活用した、自己管理能力を高めるための患者教育 わかるとかわる、かわるとわかる」では、血糖トレンドを可視化する介入により糖尿病患者さんの行動に現れた変化について、看護師の立場から紹介いただきました。血糖トレンドを活用した療養指導の参考に、ぜひご覧ください!!
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"血糖トレンド"をどう活用するか
血糖トレンドを活用した、自己管理能力を高めるための患者教育
「わかるとかわる、かわるとわかる」(本文より)

中山 法子 先生
糖尿病ケアサポートオフィス 診療看護師/糖尿病看護認定看護師

1.はじめに

 数年前のiPro2登場に始まり、SAPではリアルタイムに血糖値が把握できるなど、血糖トレンドに関するデバイスの開発は著しく発展しています。FreeStyleリブレの登場がメディアの影響もあって幅広い層に認知されつつもあり、より多くの患者さんや国民が血糖値スパイクなどの血糖変動に関心をもつようになっていると感じています。こうした流れの中、これらの機器を活用した血糖トレンドの把握は実際に糖尿病患者さんにどのような影響を与えるのかに注目が集まっています。

 今回は、血糖変動を可視化できたことで主体的な療養行動をとるようになられた患者さんの一例として、Aさんの事例を紹介します。

2.事例紹介

事例

 Aさん 60歳代前半 2型糖尿病

介入のきっかけ

 1年前に娘さん(看護師)から「父(Aさん)の血糖がずっと高いのですが、生活習慣も変えないし困っています。」と相談を受け、筆者の外来を紹介されました。

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著者について

中山 法子(なかやま のりこ) 先生
糖尿病ケアサポートオフィス 診療看護師/糖尿病看護認定看護師

1988年 山口県立衛生看護学院を卒業。
山口県内の複数の医療機関、公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 看護管理室師長などを経て、2017年より現職。
2004年 糖尿病看護認定看護師資格取得、2011年 国際医療福祉大学大学院修士課程保健医療学専攻ナースプラクティショナー養成分野修了。

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