低用量グルカゴンが運動後の低血糖予防に有用な可能性 1型糖尿病患者を対象に従来法と比較 [HealthDay News]

低用量グルカゴンが運動後の低血糖予防に有用な可能性 1型糖尿病患者を対象に従来法と比較

 1型糖尿病患者では、低用量グルカゴンの皮下投与が運動誘発性低血糖の予防に有用な可能性のあることが、「Diabetes Care」5月18日オンライン版に掲載の論文で報告された。

 米ペンシルベニア大学のMichael R. Rickels氏らは、持続皮下インスリン注入療法を受けている成人の1型糖尿病患者15人を対象に、運動前の低用量グルカゴン皮下投与と従来法(インスリン投与量の減量と炭水化物の摂取)による運動誘発性低血糖の予防効果を比較するため、4セッションからなるランダム化クロスオーバー比較試験を実施した。対象患者を、午前中の空腹時に、治療を行わない対照群と基礎インスリン投与量を半減する群、40gのブドウ糖の錠剤を経口投与する群、低用量グルカゴン150μg皮下投与群にランダムに割り付けた上で、最大酸素摂取量(VO2max)の55%までの運動を45分間行ってもらった。

 その結果、運動中と運動直後の回復期には、血糖値は対照群およびインスリン減量群では低下したのに対し、低用量グルカゴン皮下投与群ではわずかに上昇し、ブドウ糖の経口投与群では大きく上昇することが分かった。4つのセッション間でインスリンの血中濃度に差はみられなかった。また、低血糖(血糖値70mg/dL未満)を来した症例は対照群で6人と最も多く、インスリン減量群では5人だったが、ブドウ糖の経口投与群と低用量グルカゴン皮下投与群では認められなかった。一方で、ブドウ糖の経口投与群と低用量グルカゴン皮下投与群では高血糖(同250mg/dL以上)がそれぞれ5人と1人に認められた。

 以上の結果を踏まえて、Rickels氏らは「今回の結果から、1型糖尿病患者において、低用量グルカゴン皮下投与による運動誘発性低血糖の予防効果は、インスリン投与量を減量するよりも高く、炭水化物の摂取よりも投与後の高血糖の頻度は低い可能性があることが分かった」と結論づけている。なお、数名の著者は、本研究に低用量グルカゴン製剤を提供したXeris Pharmaceuticals社を含む複数の医療機器メーカーや製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。

関連情報

[dm-rg.net]

関連ニュース

2018年07月27日
1型糖尿病患者の心理的負担を軽減する介入法とは? 感情重視または教育/行動介入をRCTで検証
2018年07月27日
重症低血糖リスクが高い2型糖尿病患者の特徴は? 約5万人の患者を後ろ向きに解析
2018年07月05日
「グラルギン300単位」は高齢2型糖尿病患者に安全かつ有効 症候性低血糖リスクはグラルギン100単位より低い
2018年06月22日
持参薬の確認で糖尿病患者の救急外来受診が減少 約3万人の米国人患者を対象に分析
2018年06月14日
低用量グルカゴンが運動後の低血糖予防に有用な可能性 1型糖尿病患者を対象に従来法と比較
2018年06月07日
米国で糖尿病ケトアシドーシスによる入院が増加 全米入院患者サンプルデータを解析
2018年06月01日
週1回投与のGLP-1受容体作動薬でHbA1c値と体重が低下 消化器系の有害事象は増加
2018年05月25日
ホルモン2剤併用人工膵臓は運動中の低血糖を抑制 成人1型糖尿病患者で検討
2018年05月17日
SU薬の新生児合併症予防、インスリンに非劣性示せず ランダム化非劣性試験で検討
2018年05月10日
糖尿病患者は下肢切断術後の死亡率が高い

関連コンテンツ

糖尿病情報スクランブル 新着記事

編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
ページのトップへ戻る トップページへ ▶