ホルモン2剤併用人工膵臓は運動中の低血糖を抑制 成人1型糖尿病患者で検討 [HealthDay News]

ホルモン2剤併用人工膵臓は運動中の低血糖を抑制 成人1型糖尿病患者で検討

 2種類のホルモン剤(インスリンおよびグルカゴン)を用いたクローズドループ型の人工膵臓システムは、運動状態を自動検出するウエアラブルセンサーを装着すると、インスリンのみの人工膵臓や自動注入インスリンポンプと比べて運動中の低血糖を抑えられることが、「Diabetes Care」5月11日オンライン版に掲載された論文で報告された。

 米オレゴン健康科学大学のJessica R. Castle氏らは、成人の1型糖尿病患者を対象に、ウエアラブルセンサーで自動的に運動状態を検出させると、2種類のホルモン剤を用いたクローズドループ型人工膵臓システムは運動時の低血糖の低減に有用かどうかを検討した。対象患者には、(1)2種類のホルモン剤を用いた人工膵臓と(1)インスリンだけを用いた人工膵臓、(3)低血糖時の自動インスリン注入停止機能を備えたインスリンポンプ、(4)現行治療-による治療を4日間にランダムな順番で行ってもらった。さらに、それぞれの治療中に中強度の有酸素運動を3セッション実施してもらった。

 全ての治療を終えた患者20人を対象に解析した結果、運動中に低血糖(70mg/dL未満)を示した平均時間の割合は、他の3群と比べて2種類のホルモン剤を用いた人工膵臓群で最も低かった〔3.4%対8.3%;インスリンのみを用いた人工膵臓群(P=0.009)、対7.6%;インスリンポンプ群(P<0.001)、対4.3%;現行治療群(P=0.49)〕。

 また、4日間の試験期間を通して、低血糖を示した平均時間の割合は2種類のホルモン剤を用いた人工膵臓群で最も低かった〔それぞれ1.3%対2.8%(P<0.001)、対2.0%(P=0.04)、対3.1%(P=0.007)〕。さらに、試験期間中に血糖値が正常血糖値に近い範囲内(70~180mg/dL)を示した時間の割合はインスリンのみを用いた人工膵臓群で74.3%と最も高かったが、2種類のホルモン剤を用いた人工膵臓群との間に有意な差はみられなかった(72.0%、P=0.44)。

 以上の結果を踏まえて、Castle氏らは「運動状態を自動検出できる状態下で、クローズドループ型の人工心臓システムにグルカゴンを加えると、身体をよく動かす成人1型糖尿病患者の低血糖の頻度が低減することが分かった」と結論づけている。なお、2人の著者はPacific Diabetes Technologies社とのCOI(利益相反)に関する情報を開示している。

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[dm-rg.net]

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