高齢患者の急性膵炎リスクにDPP-4阻害薬の関与なし [HealthDay News]

高齢患者の急性膵炎リスクにDPP-4阻害薬の関与なし

 高齢の糖尿病患者では、DPP-4阻害薬を使用しても急性膵炎の発症リスクは上昇しない可能性のあることが、「Diabetes Care」4月4日オンライン版に掲載の論文で報告された。

 米ノースカロライナ大学チャペルヒル校のJin-Liern Hong氏らは、膵臓の疾患やアルコールに関連する疾患の既往がない、66歳以上のメディケアを受給する糖尿病患者を対象に、DPP-4阻害薬またはチアゾリジン系薬、スルホニル尿素(SU)薬の使用をそれぞれ開始した後の急性膵炎リスクを比較検討した。

 その結果、DPP-4阻害薬の使用を開始した群(4万9,374人)ではSU薬の使用を開始した群(13万2,223人)と比べて急性膵炎リスクの上昇はみられず(重み付けしたハザード比1.01、95%信頼区間0.83~1.24)、DPP-4阻害薬の使用を開始した群(5万7,301人)とチアゾリジン系薬の使用を開始した群(3万2,612人)の間にも差はみられなかった(同1.11、0.76~1.62)。なお、こうした関連性は年齢や性による影響は受けなかった。

 また、心血管疾患(CVD)を合併した患者における急性膵炎の発症率は、DDP-4阻害薬の使用を開始した群とSU薬の使用を開始した群では高かったが、チアゾリジン系薬の使用を開始した群ではこれら2つの群と比べて低かった(それぞれの発症率は1,000人年当たり2.3および2.4対1.5)。こうした患者における急性膵炎リスクは、DPP-4阻害薬の使用を開始した群ではチアゾリジン系薬の使用を開始した群と比べて高かったが(同1.84、1.02~3.35)、SU薬の使用を開始した群との間に差はみられなかった。

 以上の結果を踏まえて、Hong氏らは「今回の結果から、高齢患者においてDPP-4阻害薬の使用は急性膵炎リスクの上昇とは関連しないことが分かった。CVDを合併する患者においてこれらの関連が認められたのは偶然による可能性が考えられ、今後検証する必要があるだろう」と述べている。なお、数名の著者は製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。

[dm-rg.net]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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