若年1型糖尿病患者の摂食障害がHbA1c高値と関連 [HealthDay News]
若年の1型糖尿病患者における摂食行動障害(disordered eating behavior;DEB)はHbA1c高値と関連する一方で、血糖変動の指標とは関連しないとする研究結果が「Diabetes Care」1月25日オンライン版に掲載の論文で報告された。
米国立衛生研究所(NIH)の傘下にある国立小児保健発達研究所(Eunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development;NICHD)のMiriam H. Eisenberg Colman氏らは、DEB を併存した8~16歳の1型糖尿病患者を対象に18カ月間の行動介入を行い、ベースライン時および6カ月後、12カ月後、18カ月後時点の持続血糖モニタリング(CGM)やHbA1c値、1,5-AG(アンヒドログルシトール)値を測定し、糖尿病の管理状況を評価した。
その結果、行動介入はDEBに有意な効果をもたらさなかった(P=0.84)。DEBはHbA1c高値(P=0.001)とCGMで測定したセンサーグルコース(SG)値が180mg/dLを超える時間の割合の高さ(P≦0.001)、1,5-AG低値(P=0.01)、治療アドヒアランスの低下(P=0.03)のそれぞれと関連した。一方で、SG値が70mg/dL未満となる時間の割合や血糖変動の各指標とDEBとの間には関連はみられなかった。
また、DEBと時間による有意な交互作用効果は平均SG値(P=0.05)とSG値が180mg/dLを超える時間の割合(P=0.04)のみで認められた。さらに、DEBの報告が少なかった患者では、追跡期間を通して血糖コントロールの悪化が認められた一方で、DEBの報告が多かった患者ではベースライン時にみられた血糖コントロール不良が追跡期間中も持続していた。
以上の結果を踏まえて、Colman氏らは「この研究結果から、DEBを増やすことなく食事の質を改善できる可能性が示唆されたほか、DEBは高血糖状態の持続と関連するが低血糖や血糖変動の指標とは関連しないことが分かった」と述べている。
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