【新連載】「糖尿病デバイス革命」を公開 第1回は皮下埋め込み型光学式CGM「Eversense」

2017.10.25
スマートフォンの普及に象徴されるように、社会のデジタル化は私たちの生活を一変させました。その波は医療の世界にも確実に押し寄せてきており、代表的な領域の一つが、糖尿病治療用デバイスです。本連載コラムでは、独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 糖尿病センターの村田 敬先生に、最新の糖尿病関連デバイスについて海外情報を中心にご紹介いただきます(不定期更新予定)。「糖尿病デバイス革命」(糖尿病情報スクランブル) ▶

糖尿病デバイス革命
1. 皮下埋め込み型光学式CGM「Eversense」(本文より)

村田 敬 先生
独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 糖尿病センター

 近年、糖尿病の検査や治療に用いる医療機器は急速な進歩を遂げつつあり、今後、糖尿病の治療が激変していく可能性がある。
 そこで本連載では、海外での学会等で展示・発表されたものを中心に、最新の糖尿病デバイスにつき情報提供していく。

 今回、紹介するのは米国Sensonic社が開発した皮下埋め込み型光学式CGM(continuous glucose monitoring:持続血糖測定器)であるEversenseである(文献1)。これまでに実用化されてきたCGMのほとんどは、グルコース(ブドウ糖)を分解する酵素を電極に固定した酵素電極を皮膚の表面から刺して皮下組織の間質液のグルコース濃度を測定し、その結果をおおよその血糖値に換算して表示するものである。一方、このEversenseは長さ16mm、直径3mmの小さなカプセル状のセンサーを皮下に埋め込み、電波により間質液のグルコース濃度測定結果を体の表面に装着したトランスミッターへ送信する (文献2)。

 このCGMがこれまでの機種と大きく異なるのは、酵素電極ではなく、グルコースと反応してシグナルを発する蛍光物質を使用している光学式CGMである点である。すなわち、間質液中のグルコース濃度が上昇すると、それに応じて蛍光物質から発せられるシグナルの強度が高まり、それを検出器で測定することにより間質液中のグルコース濃度を測定する仕組みになっている。

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著者について

村田 敬(むらた たかし) 先生
独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター・糖尿病センター

1993年、東京大学医学部医学科卒業後、1999年より2003年までカロリンスカ研究所医学栄養学部(スウェーデン)留学などを経て、2006年より現職。専門領域はインスリンポンプ、CGMなどを用いた糖尿病のデバイス治療。主な著書に『この1冊でカーボカウント・インスリンポンプ・CGMがわかる! 糖尿病3Cワークブック 改訂第2版』(中山書店)、『通じる力』医師のためのコミュニケーションスキル入門』(金芳堂)などがある

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